大雪崩              「評価 D」
田舎の農場を飛び出して自由な生活を送っていたキャットは、ある日ハウスキーパー募集の広告を見つけ、カナダの雪山にあるタマラック・ロッジへとやってきた。ロッジは元スキーヤーのアンドレと、彼の亡父の親友イージィが2人で管理しており、キャットは彼らの仕事を手伝いながらつつがない日々を送る。だがタマラック・ロッジでの暮らしは、何度も彼女の脳裏に不思議な記憶を呼び起こした。更にイージィはキャットのことを“ジェプシー”と呼び、まるで遥か昔から知っているかのように接してくる。やがてこの不可解な体験に耐えられなくなったキャットは、アンドレが制止するのも聞かず、仕事をやめることを決意した。しかしその矢先、轟音が鳴り響き、巨大な雪崩がロッジを襲った。ロッジは雪に埋もれ、キャットたちはロッジに泊まっていた人々ともども生き埋め状態に。アンドレたちは何とか脱出しようと雪を掘り始めるが、一方でキャットは、イージィが持っていた一枚の古い新聞記事を発見する。その記事を読んだ彼女は、タマラック・ロッジの過去にまつわる悲劇を、そして自分が見ていた幻想の真実を知る…。
「大雪崩」なんてストレートすぎる邦題とは裏腹に、雪崩が発生するのがラスト10分という看板倒れな雪山映画。そもそも本作、雪崩はメインでも何でもない。上映時間の大部分を割いて、元ヒッピーのイージィたちが精神世界やら魂の救済やら環境保全やらをテーマに延々と会話を繰り広げるという、なんとも全地球カタログ万歳な内容だった。当然ヒッピー思想についていけない者には面白くも何ともない映画で、たとえ会話の合間にスキーの様子を流して場を持たせようとしていても、退屈であることには何ら変わりなかった。またクライマックスの雪崩は、あくまで登場人物たちの和解や断罪の契機として使われており、決してそれ単体を見せることを目的としていない。そのため雪崩の襲来シーンは迫力もへったくれもない出来で、大変にぞんざいな扱いだった。
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