ディノシャーク 「評価 C」
冒険家トレイスは海賊の財宝を探すため、生まれ故郷のプエルト・バジャルタに帰ってきた。しかし財宝の在り処を求めてボートを走らせていたところ、彼は異形のサメが人々を食い殺しているのを目撃する。環境学者のキャロルが調べたところによれば、そいつは1億5000万年前に絶滅したとされる古代鮫“ディノシャーク”だという。アラスカの氷に閉じ込められていた個体が、地球温暖化の影響で蘇生。温暖な海を求めて、メキシコのプエルト・バジャルタへとやってきたのだ。早速トレイスとキャロルはディノシャークを捕獲しようとするが、ディノシャークは彼らの追撃を難なくかわし、マリンスポーツで賑わうビーチを血に染めていく。やがてトレイスは事態を収拾すべく、手榴弾を携えると、ジェットスキーに跨ってディノシャークへ突撃していった…。
コーマン門下のケヴィン・オニール監督によるサメ映画。「デフロスト」「地球が凍りつく日」「メガ・シャーク vs ジャイアント・オクトパス」「ジュラシック・プレデター」などと同様、最近やたら量産されている“地球温暖化で氷が解けて怪物おはようムービー”の一本で、コンセプト自体には取り立てて見るべきところはない。サメの襲撃シーンも数こそ多いが見せ方が単調で面白みに乏しく、評価できるところと言えば、「ジョーズ2」リスペクトなヘリコプター襲撃シーンにおいて、水面を一切映さず見上げるアングルからヘリを捉えることでサメの出現に意外性を持たせていた点ぐらいのもの。そんな本作の見所は、主役のディノシャークの造形だ。ワニのような巨大な口とゴツゴツした表皮をもったハイブリッドなサメで、その異形が海中を泳ぎ回る様は迫力満点。「ディノクロコ」のケヴィン・オニール監督作品ということでVFXの出来も上々で、ことサメの外見的魅力に関しては素晴らしいの一言だった。これで襲撃シーンが面白かったら文句ないのだが、世の中うまくいかないものである。
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