アルマゲドン2011           「評価 C」
無数の隕石片を伴い、巨大彗星レダー・ベイが地球の側を通過した。引力に吸い寄せられた隕石片は大気圏に突入し流れ星となり、世界中の人々がその美しい光景に見とれていた。ところがアメリカのカリフォルニアで、異変が起きた。幾つもの弾丸大の隕石が地表に達し、町のベイエリアに壊滅的な打撃を与えたのだ。その後も幾度にわたり隕石群が襲来するが、どういうわけか他の地域には一切被害が及ばない。何故隕石は、カリフォルニアのベイエリアのみに襲来するのか。天文学者のミシェルはその原因を突き止めるべく、隕石の組成を調べた。その結果判明したのが、隕石が強力な引力を持つ120番目の元素で構成されていること。そして、大昔にカリフォルニアの湾内に同じ成分の隕石が落ちており、それが無数の隕石片を引き寄せていたことだった。更にその頃、小さな隕石群に紛れ、巨大な隕石までもがカリフォルニアめがけて接近していた。ミシェルと米軍は核ミサイルを巨大な隕石にぶつけ、軌道をずらす作戦を立案。隕石衝突の瞬間が迫る中、急いで実行に移そうとするが…。
「クラーケンフィールド HAKAISHIN」「メガスネーク」のティボー・タカクス監督による天体パニック映画。本作の特徴は何と言っても、隕石のサイズを他の天体パニック映画よりも遥かに小さくしていることだろう。そのため災害シーンでは落下の衝撃よりも貫通力を重視した描写がなされ、他の天体パニック映画とは一線を画した光景を拝むことができた。特に金門橋が破壊される場面は、1つの隕石が橋の真ん中を貫通し、開いた穴が徐々に広がっていき橋全体が崩落する──と、一瞬のインパクトに帰結しがちな天体パニック映画においては珍しい、じわりじわりとした破壊表現が使われていて見応えがあった。また大半の天体パニック映画における疑問点「なぜ隕石は大都市にばかり落下するのか?」について、合理的な説明をつけているのも素晴らしいところ。上層部のドラマが単なる会話に終始していて面白みに欠ける、ミシェルの子どもたちが勝手な行動をして無理矢理ピンチの場面を作っているのが癪にさわる、といった欠点も少なからず存在するが、天体パニック映画好きとしては溜飲の下がる思いを味わえる作品だった。
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