アルマゲドン2010           「評価 D」
地球に接近した巨大彗星を、米軍が核弾頭で破壊した。ところが無数の破片が隕石となり、世界各地に降り注いだ。アメリカ中西部クラーク郡の湖に落下した隕石は猛毒を有しており、たちどころに周辺一帯の水が汚染される。水質調査官のデイビッドがこの事態の対応に追われていると、その間に妻と娘の待つ家が隔離対象に指定され、2人は遠くロスアンゼルスの収容施設へと移送されてしまった。それを知ったデイビッドは、知り合いの研究者から解毒剤を入手すると、2人に会うためにロスアンゼルスへと向かった。途中でリンという女性と知り合ったデイビッドは、彼女と一緒に、隕石群の襲来、暴徒の攻撃など、様々な危機を乗り越えていく。そして遂にロスアンゼルスへと辿りつくが、どういうわけかロスは既にゴーストタウンと化していた。それもそのはず、近々巨大な隕石がロスに落下することが明らかになっており、住民たちは皆避難を開始していたのだ。隕石落下の瞬間が刻々と迫る中、デイビッドとリンは妻と娘を探し続ける…。
「ソーラーストライク2012」「ディープ・コア2010」などのデヴィッド・マイケル・ラット製作による、天体パニックの皮をかぶったロードムービー。主人公のデイビッドは作中で隕石群の襲来を受けるが、その際の対策が、適当に走り回ってやり過ごすだけ、という完全に運任せな方法なのには参った。これが一度だけなら全然問題ないのだが、本作では何度も何度も隕石群が雨あられと降ってきて、そのたびに辺りをウロチョロして回避するから困りもの。大した対策方法が思いつかないのなら隕石の襲来シーンそのものを減らせばいいのに、それをしなかったせいで「なぜデイビッドに隕石が当たらないんだ?」という疑念ばかりが膨らみあがり、映画のリアリティが大いに損なわれていたのだ。
また本作、脚本の方もお粗末。水質汚染から僅か数日しか経ってないのに、アメリカ中西部全体の秩序が完全崩壊して「マッドマックス」状態になっているのは、どう考えてもおかしいだろう。また本編と並行して展開される隕石対策本部のドラマは、最後までろくな対策をしないで終わるために中途半端さだけが際立ち、何でこんなストーリーを挿入したのか理解に苦しむ。散々引っ張ってきたラストの巨大隕石も地味な結末で拍子抜けさせられるし、何とも悲愴な出来の作品だった。
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