ガールズ・スクール・スクリーマーズ     「評価 B」
古くからの伝統を誇るトリニティ女学園。この度かつての学園長だったウェルズ氏が亡くなり、彼の屋敷や屋敷内にある財産は、全て学園に寄付されることになった。そこで学園はジャッキーら素行に問題のある女学生7名をウェルズ氏の屋敷に派遣し、美術品の目録を作らせることにした。長年学園で働いているシスター・アーバンの引率のもと、森の奥の屋敷にやってくるジャッキーたち。ところがこの屋敷には、忌まわしき過去があった。今から40年近く前、ウェルズ氏は身寄りのない姪のジェニファーを引き取り、屋敷に住まわせた。彼女に広い部屋や豪勢な食事を与えるウェルズの姿は、傍目には親類への慈愛に満ちたものに見えた。しかし彼の本当の目的は、ジェニファーを我が物にすることだった。時が経つとウェルズは、ジェニファーに対して露骨に愛を求めるように。そんな気がないジェニファーは彼の誘いを拒み続ける。すると頭に来たウェルズは、勢い余ってジェニファーを階段から突き落とした。ジェニファーは頭を打って死亡したが、その死は事故死として扱われたのだ。さて、ジャッキーは屋敷内で遊んでいたところ、偶然にもジェニファーの日記を発見する。その日の晩、日記のことをシスター・アーバンに話したところ、彼女はジャッキーたちに屋敷の事件を語って聞かせた。シスター・アーバンは、40年前にジェニファーの教師をしており、ジェニファーのことをよく知っていたのである。またジャッキーは、暖炉の上に隠されていた、ジェニファーの肖像画を発見する。するとその顔は驚くべきことに、ジャッキーと瓜二つだった。不気味に思ったジャッキーは、そのことを友人たちに打ち明けず、目録づくりに専念することにした。ところがこの日を境に、屋敷に眠るウェルズの悪霊が牙を剥き始めた。1人、また1人と、悪霊の手にかかり命を落としていく女学生たち。シスター・アーバンも体調を崩し、ベッドの上で身動きが取れなくなる。悪霊の目的はジェニファーと瓜二つのジャッキーに違いない。そう確信したシスター・アーバンは、ジャッキーに屋敷から脱出するよう告げた。ジャッキーは言われたとおりに逃げ出そうとしたが、既に屋敷はウェルズの力で固く閉ざされ、脱出不可能な空間と化していた。そして遂に、ジャッキーはウェルズに捕らえられてしまう。ウェルズは友人たちの死体を参列者に見立てて並べ、ジャッキーとの結婚式を執り行おうとした。だが間一髪のところで、シスター・アーバンが自らの命と引き換えにジェニファーの霊を呼び出した。ジェニファーの霊はウェルズの前に現れ、彼の両目に指を突っ込んで自分が味わったのと同じ苦しみを与えると、共に消滅した。かくしてジャッキーを残し、屋敷の惨劇は幕を閉じたのである…。
古びた屋敷にまつわる因縁に女学生たちが巻き込まれていく、トロマ産の幽霊屋敷映画。何に置いても特筆すべきは、おぞましさ100%な特殊メイクの数々である。冒頭に出てくる幽霊は、ドロドロに溶けた顔もさることながら、その表面をミミズが這い回る懲りようも嬉しかった。女学生が感電して黒焦げになるシーンは、体が激しく痙攣しながら焼け爛れていき、手がもげ、全身が崩れ落ちるまでの過程が、ゲロ度抜群なメイクを駆使して念入りに描写されていて見応えがあった。このように製作のスタッフのグロテスクな描写にかける意気込みが、ひしひしと伝わってくる作品だ。
また本作、ウェルズの悪霊が最初の事件を起こすのがラスト30分ぐらいと、かなり遅いのが難点と言える。だが一度女学生が殺されると、堰を切ったように次から次へと学生が殺されていき、しかも全員が違う方法で殺害され、一気にラストまで魅せてくれた。トロマ特有のおバカ要素は序盤の女学生たちの掛け合いぐらいしか見当たらず、あまりトロマらしい作品とは言えないが、ホラー映画としては十分に満足のいく内容だった。
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