キャメロン 「評価 C」
父親の研究により超能力を得た少年、キャメロン。友達を持たず、お気に入りの人形"ディセプター”を超能力で動かして遊んでばかりいる彼の周りで、相次いで近しい人間が怪死した。まず父親が、クローゼットの中で足を踏み外して首を切断し、次いで別れた母親の恋人が、両目を焼いた上に窓から転落し、命を落とした。事件を担当することになった刑事サムや心理学者のノラは真相究明に四苦八苦するものの、一方でキャメロンは犯人の正体について薄々感づいていた。と言うのもここしばらくの間、ディセプターがキャメロンの超能力とは無関係に動き回るようになっていたのだ。実はキャメロンが超能力でディセプターを動かすことにより、ディセプターには生命が宿ってしまった。そのディセプターにマヤ文明の悪魔ザルスが憑依し、キャメロンが不快に感じた人間を襲いだしたのである。更にザルスは力をつけると、今度は自由を得るためにキャメロンの命まで狙い始めた。そこでキャメロンは、真相を知ったサムやノラと協力して、ザルスを滅ぼすべく立ち上がった…。
「発光体」のアーマンド・マストロヤンニ監督による、超能力少年と悪魔の対決を描いたオカルト・ホラー。一捻りしてある設定といい、人間の頭が割れて悪魔が出現する、全身の皮膚が高熱でドロドロに溶解する、といったグロテスクなシーンを念入りに描写する見せ場の作り方といい、後年の「発光体」に通じる面白さを感じさせてくれる作品だった。だが一方で「発光体」の短所だったストーリー運びの乱雑さも共通しており、特に映画後半、キャメロンの超能力が発覚してからザルスの存在発覚までの過程が性急すぎて、取っ付きが悪くなっているのはいただけなかった。
TOP PAGE