デッド・ホスピタル 血の実験室       「評価 B」
州立精神病院のラムジー医師は、夜な夜な患者を地下室に運び込んでは、怪しげな人体実験を行っていた。それを知った同僚のスワン医師は、凶行を止めるべく彼を射殺。病院の地下室は固く閉ざされ、事件は闇に葬られた。それから20年後、記憶喪失の女性ジェーンが病院に収容された。早速スワン医師の診察を受けていたところ、突然強い地震が発生。地震はすぐに止んだものの、その日以来ジェーンは不吉な予感と恐ろしい悪夢にうなされるようになった。またそれに前後して、病院では不可解な事件が続発。看護婦が失踪し、大人しかった患者が豹変して暴れ出した。この病院には何かがある。そこでジェーンは、親しくなった患者クリスと協力して、密かに病院内の調査を行うことにした。すると彼女は、死んだはずのラムジーと遭遇する。20年前、彼は人間をゾンビ化させる研究を行っており、スワンに銃で撃たれて地下室に閉じ込められても、自身をゾンビに変えることで生き永らえていた。そして地下室の封印が、先日の地震によって解き放たれた。そのため彼や実験体のゾンビたちは、夜な夜な地上に出ては、看護婦や患者を襲っていたのである。ジェーンを捕らえたラムジーは、地下室のゾンビたちを一斉に地上に送り出した。人間の脳味噌を抉り出しては食らうゾンビたちにより、大混乱に陥る病院。何とか逃げ出したジェーンは、クリスと共にゾンビに立ち向かおうとする。だがそんな中で、ジェーンの失われた記憶が甦りつつあった…。
「巨大怪物 マンシング」のブレット・レナード監督によるメディカルゾンビホラー。冒頭の地下室のシーンにおける脳味噌むき出しの患者が痙攣している光景が象徴するように、本作はとことん脳味噌の描写にこだわった内容となっていた。本作のゾンビたちは「バタリアン」のごとく脳味噌が大好きで、人間の頭をかち割って脳味噌を出しては、それを持ってはしゃぎ回り、大喜びで食らう。また作品後半にはゾンビでありながら理性を保っているラムジーによる脳味噌いじくりショーが用意されており、生きた人間の脳を露出させ何本もの針を突き刺していくという、実に恐ろし楽しな様子が繰り広げられていたのだ。脳味噌以外にも、まぶたに針を刺したり目にドリルを刺したりと、痛々しい人体破壊場面が数多く盛り込まれており、なかなかに見応えがあった。またゾンビ映画としては本作、聖水を浴びせてゾンビを溶かすという退治方法が特徴的。ゾンビが溶ける際も、毛髪が剥げ、耳から煙が出て、痙攣しながら血反吐を吐いて、終いには骸骨だけになる、なんて「魔鬼雨」ばりに手の込んだ描かれ方がしており、作品の大きな見せ場となっていた。ただしストーリー後半でジェーンの記憶についての真相が明かされるものの、それだけでは悪夢や地下室についての証言などが説明できず、いまいちスッキリしなかったのは残念だった。
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