マイドク 「評価 C」
2人の科学者、ハウエルとタッカーは、人間の脳に放射性物質を投与することで遺伝子改造を施し、寿命を延ばす方法を発見した。しかしこの方法には、改造された人間の脳が溶けて廃人化するなどの欠陥が多かったので、タッカーは自らの研究成果を闇に葬ろうとしていた。一方でハウエルは功績を認められたいあまり、タッカーの息子マイケルを洗脳し、彼を操ってタッカーを抹殺。直ちにマイケルは精神異常者として病院に収容され、邪魔者がいなくなったハウエルは晴れて技術を公表し、世間から大いなる称賛を浴びた。それから7年後、精神病院を退院したマイケルは、恋人サンディや、友人のルーカス、ジニーと一緒に、ハウエルが病院を構える南の島へとやってきた。表向きは観光旅行のためとしているが、真の目的はただ1つ、ハウエルへの復讐だ。島にはハウエルが飼いならしている凶悪な脳改造患者たちが多数潜伏していたが、マイケルたちは咄嗟の判断で次々と襲撃をかわしていく。やがて業を煮やしたハウエルは、マイケルを取り逃がした脳改造患者のスパイダーを処分しようとした。ところがスパイダーは逆上し、病院の地下室で暴れまわった挙句、収容されていた脳改造患者たちを解放。たちまち病院は、脳改造された狂人で溢れかえる危険地帯へと変わり果てた…。
「いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか」という長い正式名称で有名な、ニュージーランド製の脳味噌いじくり系ホラー。頭蓋骨にドリルで穴を開け、ノコギリで少しずつ切り開き、脳みそを露出させる──といった手術シーンが丹念に描写されているのが特徴で、中でも脈打つ脳みそを指でいじくるカットは思わず頭の奥が痺れてくるほどに素晴らしい出来だった。また狂人と化した患者たちのバイオレンス描写もなかなかのもので、人間の目に割れた瓶を突き刺したり、ひたすらに内臓を抉り出したりと、頭のタガが外れたイカレっぷりを堪能できた。ただ問題はクライマックスで、折角病院における狂人たちとの乱戦になって盛り上がっていたのに、肝心のマイケルとハウエルとの因縁の戦いが、実にアッサリ決着がついて拍子抜けさせられた。その後、スパイダーとマイケルが対峙し、今度こそ凄まじい戦いが繰り広げられるかと思いきや、急に場面が切り替わり、戦いを終えて車で帰る途中のマイケルとサンディの姿が映し出されるのだ。意図不明な戦闘シーンのカットに唖然となっていると、映画は更にガッカリ感を増幅させるようなラストを迎える。まさかの肩透かし3連発で、最後の最後で大いに盛り下がる作品だった。
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