シャドー・ウォリアーズ 極悪ニンジャ部隊      「評価 D」
香港では、ケン率いるニンジャ集団による宝石略奪事件が続発していた。ケンは既に裏社会の実権を握るまでの実力者となっていたが、更なる勢力を拡大するべく、食べ物と着る物を与えるという条件で貧しい若者たちを集め、ニンジャ軍に入隊させようとした。ところがジョニーたち若者は、ニンジャ軍の過酷な訓練を目の当たりにして到底付き合いきれないと感じ、初日の夜に脱走。それを知ったケンは、側近の山田に、脱走者たちを殺してでも連れ戻してくるようにと命じるのだった。辛くもニンジャの追撃を振り切ったジョニーたちは、昔のようにコソ泥をしながら食料を得る日々を送る。ところがある時、ジョニーのガールフレンドであるリリーが、信頼していた地主の甘言に乗せられ、地主と繋がりのあった山田に捕まってしまった。すると山田は彼女に多額の身代金をかけ、身柄を解放する代わりに、彼女に莫大な借金を負わせたのだ。リリーは借金を返すため、止むを得ずキャバレーで働くように。それを知ったジョニーは、リリーを助けるために仲間たちと共に立ち上がった。またその頃、ケンの兄弟弟子である白ニンジャが、師匠を殺害したケンのことを密かに追っていた…。
殺人技術の訓練を受けたニンジャたちが、単なるチンピラ同然な若者たちに振り回される様を描いた、異様に物悲しい内容のニンジャ映画。まずニンジャたちの描写からして情けないの一言で、序盤の脱走兵を追撃する場面でろくに相手に傷を負わせられず、殆どの若者たちに逃げられている時点で馬鹿丸出し。しかも任務の場面では、白昼の街中で一般人に集団で襲いかかって宝石や現金を強奪する──なんて隠密もへったくれもない行動をとっており、とてもニンジャとは思えない様子だ。対するジョニーたちは、映画のポジション的には「悪のニンジャ集団に立ち向かう主人公」であるのに、ニンジャ軍団から脱走した後はブラブラしながらセコい犯罪行為を繰り返しているだけで、感情移入させるような描写が皆無なのはまずかった。おかげで彼らは不貞なチンピラにしか見えず、ニンジャ軍団との争いを見せられても全然盛り上がってこないのだ。流石に製作側もそれを感じていたのか、クライマックスには善良な役として白ニンジャが登場し、ケンと死闘を繰り広げる。ところがこの白ニンジャの出現自体に何の前触れもなかった上、終盤になるとジョニーたちが一切画面に登場しなくなり、映画が完全に破綻していたのは如何なものか。ニンジャたちの戦闘シーンも凡庸で見所に欠けるし、到底評価はできない作品だった。
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