エイリアン・ゾンビ        「評価 D」
ジャックたち五人の若者は、深い森の中にある、叔父が所有する別荘へとやってきた。"この森には怪物が棲んでいて人間を襲っている”という不気味な噂の真相を突き止めるためだ。ところがいざ着いてみると、別荘は荒れ放題。別荘を借りていた老人ビルの話によると、先日怪物が襲撃してきてビルの娘を連れ去ったらしい。それを聞いて怪物の実在に胸を躍らせたジャックたちは、すぐ森を出た方がいいというビルの勧告も聞かず、別荘で一晩過ごすことにした。しかしその日の夜、怪物は再び別荘を襲撃してきた。友人トムが無惨に殺されながらも、ジャックたちは辛うじて怪物を撃退。怪物は友人の1人フレッドを攫い、森の中へと姿を消した。翌朝、ジャックたちはフレッドを救出するため、怪物を追うことにした。だが森の中は怪物のみならず、怪物に襲われ死亡した人間までもがゾンビとなって徘徊している危険地帯だった。怪物たちの襲撃をかわしながら、ジャックはやがて森の奥の洞窟にたどり着く。洞窟に入ると、そこには宇宙船を修理するゾンビたちの姿が。今から100年前、凶悪なエイリアン"アズドレス”の操縦するUFOが故障し、この地に不時着した。アズドレスは近隣の住民たちを怪物に変え、森に立ち入る人間を襲わせることで従順なゾンビを量産。UFOの修理に当たらせていたのだ…。
「デス・オブ・ザ・ニンジャ 地獄の激戦」のエメット・オルストン監督によるSFホラー。「エイリアン・ゾンビ」なんて邦題だが、エイリアンとゾンビが出てくるのは映画の終盤になってからで、それまでは両者の中間管理職的立場にあたる怪物の独壇場となっていた。本作の怪物はまんまゴリラな外見で、首をねじ切ったり木の枝を突き刺したりと、なかなかの残虐性を見せてくれる。ところが戦闘シーンになると、迫力のない演出が足を引っ張り、途端に魅力が減衰していった。また死ぬ間際にはその意外な正体が明らかになるものの、それまで何の伏線も張っていなかったせいで大した驚きを味わえないのも厳しいところ。そんなゴリラが倒され、ジャックが宇宙船を発見する辺りからは、いよいよ真打と言えるエイリアンとゾンビの出番になる。しかしエイリアンは自分ではろくに動けないし、ゾンビは大勢でジャックを取り囲んでいながら何故か攻撃1つしないという見掛け倒し。おまけにクライマックスの対決は支離滅裂な展開で盛り上がるに盛り上がれず、何とも評価し難かったのだ。ただし本作、C級感たっぷりなエンディングは悪くなかった。
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