原潜 vs. UFO 海底大作戦         「評価 B」
60年代、北極の氷の下は幾つもの潜水艦が行き交う重要な航路となっていた。ところがある時を境に、この航路を通過する潜水艦が次々と謎の沈没を遂げるように。そこで政府は原因を調査すべく、ウェンドーバー艦長、ホロウェイ副長以下、優秀なクルーたちを乗せた最新鋭原子力潜水艦"タイガーシャーク号”を、北極海へと向かわせた。降り注ぐ雷をかわし、崩落した氷山にも止められることなく、タイガーシャーク号は問題となっている北極の海底に辿り着いた。そこで一行は、巨大な円盤が水中を進んでいるのを目撃する。"サイクロプス”と名づけられたこの円盤がレーザーを発射し、幾つもの潜水艦を沈没させていたのだ。今のまま円盤を放置しておくと、北極海の航路は完全に失われてしまう。よってタイガーシャーク号のクルーたちは、何としてでもサイクロプスを撃沈させんと追撃を開始した。長い追跡戦の末、タイガーシャーク号の体当たりでサイクロプスに穴を開け、ホロウェイらの乗る小型艇で円盤の内部へと潜入を果たす。すると中枢部で彼らを待ち受けていたのは、おぞましい姿をした単眼の宇宙人だった。彼は母星による地球侵略計画の前段階として、人間の標本を集めていたのである。強力な超能力で攻撃してくる宇宙人に対し、ホロウェイたちは決死の反撃を試みた…。
「クロノス」「大海獣ビヒモス」のアーヴィング・ブロック&ジャック・ラビン原案による海洋冒険映画。単純明快なストーリー、適度に散りばめられたトラブル、そして豪快なラストと、冒険映画のお手本とも言うべき内容だった。とにかく本作には、ややこしいと思えるような要素が一切存在しない。少しも脇道にぶれることなく勧善懲悪な話をやってくれているので、純粋に冒険の面白さのみを味わうことができたのである。また本作の宇宙人は、蜘蛛のような足と、胴体に並ぶ無数の吸盤、そして長い首に目玉が1つだけ付いた、異様すぎる容貌をしている。超能力で円盤の全てのシステムを掌握しており、レーザーで相手を黒焦げにしたり、ドアで挟んで殺したりと、円盤と一体化した戦い方が印象的だった。
ただ本作、何か1つのことを終えたら「次はどうする?」と一呼吸置いてから次の行動に移るので、少々テンポが悪くなっていたのは気になった。おかげで円盤との追跡戦のあたりで中だるみが生じており、折角の興奮もここで一旦クールダウンしてしまったのだ。
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