ロッキーX 拳でファック        「評価 D」
ボクシングのヘビー級チャンピオン、ロッキー・ラグーナ。これまで数々の強敵を打ち負かしてきた彼の前に、新たなる挑戦者が現れた。その男の名はドラッグス・パゴ。プロテインで肉体を強化した、ドラッグ漬けの危険な野郎だ。ロッキーは敢然とドラッグスとの試合に臨んだが、ドラッグズの圧倒的なパワーの前にあっけ無く敗北。チャンピオンの座は奪われた。おまけに直後、愛する妻アニーが事故で亡くなり、ロッキーは失意のどん底に沈んだのだ。しかし美人看護婦サンディとセックスしたことで、ロッキーは完全復活。過酷なトレーニングを経て、ドラッグスとの再戦を行うことになったのである。そして、試合の日が来た。ドラッグスの連続パンチに苦戦するロッキーだったが、観客の声援によって何度となく立ち上がり、遂にドラッグスへ渾身のパンチが炸裂した。たまらずダウンするドラッグス。さあ、これから反撃だ! ──と思っていると、画面の右下に「END」というテロップが。えっ、まだゴングも鳴っていないぞ? と不思議に思っていると、画面が切り替わり、誰もいないリングで仲良く並ぶロッキーとドラッグスの姿が映る。そして暗転し、「THE END」のクレジットが。なんとこの映画、本当にこれで終わりだったのだ…。
邦題に反して拳でファックするシーンは一切出てこない、90年代前半に製作された「ロッキー」のパロディAV。本作のロッキーは倒れたときの顔が少しだけスタローンに似ているぐらいで、あとは金色の髪といい痩せた肉体といい、全然オリジナルの面影を感じさせてくれないのが残念。むしろライバルのドラッグズの方が、天然パーマの黒髪に加えて「ランボー」っぽいワイルドな服装で、断然スタローンらしさを醸し出していた。なんでこんな配役にしたのか、理解に苦しむところだ。また本作、本家「ロッキー」よろしくトレーニングの場面があり、ランニングして高台に立ち、両手を挙げるというお馴染みの光景も再現している。しかしこの時、BGMは一切無い。ただ無音の中を走って高台でポーズをとっているものだから、物凄くマヌケな感じが漂っていた。そしてラストは先述のような唐突さだし、エロス以外の面ではまるで楽しむことができない作品だ。
余談だが、本作のビデオは最低限の台詞にしか字幕がついておらず、手抜き感がありありだった。
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