スクイズ・プレイ! 恋の一発大逆転     「評価 C」
ニューヨークの近くの町、スプリングタウン。ここの最大の娯楽は、何と言ってもソフトボールだ。ウエスたち町の若者が結成したソフトボールチーム"ビーバーズ”の奮闘ぶりに、住民たちは老若男女問わず誰もが熱狂していたのである。ところがビーバーズの華やかな活躍の陰では、いつも女性たちが犠牲となっていた。選手たちは家事やセックスを放り出して毎日ソフトボールに明け暮れるばかりか、夜になるとバーに押しかけ、女性たちにセクハラ三昧を働いていたのだ。そんなある日のこと、ウエスの婚約者サマンサは、婚約者よりもソフトボールの方を優先したウエスに腹を立て、何とかして彼を懲らしめようと考えを巡らせた。とちょうどその時、元女性ソフトボール選手のマリーが、家出のためにスプリングタウンに流れ着いてきたではないか。彼女の素晴らしい投球に惚れ込んだサマンサは、日ごろから町の男たちに不満を抱いていた女性たちを集め、女性だけのソフトボールチーム"ビーバーレッツ”を結成。そして粋がっているビーバーズに対し、宣戦布告をしたのだ。そして試合当日。誰もがビーバーズの圧勝を予想する中、足を二回蹴り上げるマリーのラインダンス投法や、女性たちのお色気骨抜き作戦により、ビーバーレッツは意外にも善戦し、最終回表の時点で両チームは同点で並んだ。そして最終回裏、ビーバーズの攻撃。これを守り抜けば延長戦になるので、ビーバーレッツの選手たちも気合を入れて守備につく。ところがその後、試合は思いも寄らぬ結末を迎えることとなった…。
ロイド・カウフマン&マイケル・ハーツの「毒々モンスター」コンビによる、ウーマン・リブの世相を反映したピンクスポーツ映画。ベタベタなスポーツモノの路線を踏襲しながらもそれを徹底的に茶化した内容となっており、作中には、サインを送るキャッチャーが自分の股間を揉んでいたり、トレーニングの一環として「ロッキー」よろしく生卵を飲もうとしたら飲みきれずに吐き出したりと、スポーツモノ好きを狙ったギャグが目白押しだった。中でもアル中のジジイがマリーの投球を見て「彼女はプロだ! モノになるぞ!」と息巻き、「ああ見えて実は凄い人なのではないか」と思わせておいて、いざチームのコーチ役についたら全然役に立たなかったのには笑わせられた。その一方で本作、練習から試合までに結構な間があり、そのため中だるみが激しかったのが残念だった。特にマリーの素行調査をしていた私立探偵のミスター・コッチは、ハンフリー・ボガートかぶれのマヌケな探偵という役どころは面白いものの、ストーリーの本筋と全然関わらないくせに中盤出ずっぱりで、ストーリーの進行を著しく阻害していたのはいただけない。トロマのギャグもテンションを落とさないうちに繰り出されるからこそ楽しめるのだなあ、としみじみ実感させられた作品だ。
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