ジャッジメント・デイ 地球崩壊      「評価 D」
アラスカ沖の海上油田。テレビリポーターのキャサリンは、大企業スターク社がこの油田を通じて不法投棄を行っているとの情報を得て、身分を隠して油田に潜入していた。ところがある日、油田は謎の爆発により消失する。辛うじて一命を取り留めたキャサリンだったが、彼女はスターク社の陰謀により、油田を爆破した環境テロリストとして指名手配されることとなった。一方、アラスカ上空ではあらゆる物を腐食させる奇怪な嵐が発生。嵐は巨大化を続けながら南下し、やがてアメリカの各都市を襲い始める。スターク社が密かに開発した、万物を分解しながら増殖するナノマシン"セリーナ”。海上油田に保管されていたこの狂気の兵器が、爆発事件により空へ解き放たれたのだ。この異常事態の中でキャサリンは、スターク社からの追撃をかわしながら、セリーナを開発した元スターク社員の気候学者ネイサンと接触。2人は軍と協力して、セリーナの嵐を消滅させようとするが…。
「ドラゴンストーム」のスティーヴン・ファースト監督によるSFパニック映画。セリーナは何でも分解するという性質上、ビルだろうと飛行機だろうと徐々に腐食させてやがて完全に消滅させる。そんなセリーナの嵐に襲われた都市が「地球が静止する日」のごとく消えていく様が本作の見所となっているのだが、どうもセリーナの腐食させるスピードが遅すぎるせいで地味な印象が拭えなかった。何せヘリコプターを制御不能にさせるだけでも相当な時間がかかっているし、生身でセリーナの嵐に飛び込んだ主人公たちが大きな怪我を負うような描写も無い。また、その程度の分解スピードなものだから、クライマックスでセリーナの嵐に戦闘機で突っ込んで電磁爆弾を投下する際、「戦闘機が分解されるのが先か爆弾投下が先か」というタイムサスペンスで盛り上げようとしても、いまいちのめり込むことができなかったのだ。爆発事件をめぐる陰謀劇もFBIの介入により中途半端に終わっているし、あまり評価することはできない作品だった。
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