地球が凍りつく日           「評価 D」
1986年、アラスカの野生動物保護区にて、キック社による石油の試掘が行われた。しかしその結果は公開されず、キック社は試掘施設を残して保護区から撤退した。そして石油不足が深刻化する現代、ノース産業はキック社の試掘の結果を確かめるため、20年前と同じ場所に採掘施設を作る計画を立てていた。そこでポラックら腕利きの技術屋が現地に派遣されたのだが、温暖化の影響で地面の氷が解け始めており、建設作業は難航することが予想された。更にある日、隊員の1人が忽然と姿を消した。彼は翌日戻ってきたものの、既に廃人同然と化しており、「氷の中に何かがいる」という謎の言葉を残して息絶えた。その後も基地では不可思議な事件が相次ぎ、人間たちが次々と命を落としていく。そんな中で1人の隊員が、事件の真相について自らの推測を述べた。これは氷の中に潜んでいた、悪霊の仕業ではないかと…。
ヘル・ボーイことロン・パールマンが出演している、アラスカの氷原を舞台にした超常現象ホラー映画。謎を散りばめるだけ散りばめておいて明確な解答を出さないまま進行し、ラスト直前になって更に大きな謎が提示されて唐突に終了するという、近年のシャマラン作品並みの投げっ放しな内容だった。これで続きへの興味が持てる内容だったらいいのだが、本作は緩慢な展開のせいで先の展開への求心性が大きく薄れているのが困りもの。キック社の人間が残した日記のクレイジーな内容や、悪霊のビジュアルなど、ホラー的ギミックは揃っていたのに、脚本がそれを台無しにしていた作品だった。
余談だが本作、「地球が凍りつく日」という邦題になっているが、映画のストーリーは地球温暖化でアラスカの氷が解けて大変なことに──というもの。ならば「地球が凍りつく日」よりも「地球が融解する日」の方が適切ではないかと思った。
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