ラスト・アナコンダ           「評価 C」
ナーソー率いる凶悪な犯罪者グループが、タイの刑務所から脱獄した。ウット警部は、彼らがジャングルを通ってミャンマーに逃げ込もうとしているとの情報を得て、部下たちと共にジャングルへと足を踏み入れる。ところがそこは地元民らが「呪われたジャングル」として恐れる、怪物だらけの危険地帯だった。スズメバチが、果樹の妖女が、トカゲの群れが、シルバースネークが、次々と彼らに襲い掛かる。そんな怪物の襲撃をかわしつつ、ウットは何とかナーソーたちを捕らえることに成功する。そして護送中、彼らはジャングルの中にある小さな村に滞在することとなった。だがこの村には、満月の夜になると住民たちが呪いの力で怪物に変貌するという、恐ろしい秘密が隠されていた。凶暴化した村人たちに、ウットの部下たちは次々と殺されていく。ウットはこの騒乱を鎮めるため、神聖な力を秘めた"時空の石印”を村の祭壇へ捧げた。するとその瞬間、彼は過去へと跳躍し、ナーソーとの思いも寄らぬ因縁を知ることとなった…。
前半は秘境探検、後半はオカルトな話が展開する、タイ産のモンスター映画。前半部分ではバリエーション豊かな怪物たちが次々と登場し、彼らの縦横無尽な暴れ様がモンスター映画好きには嬉しい内容となっていた。邦題にもなっているアナコンダ(劇中ではシルバースネークと呼ばれている)は威嚇する時に背中の無数の棘が伸びる仕草が堪らないし、スズメバチたちは大群で襲い掛かってきて人間を白骨化させるという素晴らしすぎる凶悪ぶりを発揮する。トカゲたちは樹木の上から雨あられと降り注いできて戦慄モノだし、果樹の妖女は男を誘惑して精気を吸い尽くして殺すという戦い方が何とも趣深い。そんな怪物たちが跋扈する前半に比べると、後半はどうも煮え切らない感じが漂っていた。クライマックスで怪物化した村人たちが大挙して主人公たちに襲い掛かってくるのだが、画面が暗すぎるせいで彼らの姿をろくに拝むことができなかったのだ。手や顔などの断片的な部分は辛うじて見えるのだが、全体像となるとまるで把握することができない。同じ夜間撮影でも、果樹の妖女の襲撃シーンは画面が見やすく、妖女の全体像をしっかり確認できたというのに、どうしてこちらはわざわざ全体像を隠すような作り方になっているのだろうか。おかげで観ていてフラストレーションが溜まり、折角のクライマックスもいまいち盛り上がることができなかった。
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