ヴァイパー           「評価 C」
香港で発生した連続殺人事件。被害者たちは皆、何らかの毒物を投与された上、体の一部に傷を付けられて殺害されていた。事件を担当していたマン捜査官は、被害者たちが同じクラブの常連だったことを突き止め、そのクラブで働いている女性メデューサから話を伺うことにした。元来の爬虫類嫌いだったマンは、大の蛇好きで部屋に何匹もの蛇を飼っているメデューサに初めは面食らうものの、何度も彼女と会ううちに、次第に彼女の不思議な魅力に惹かれていったのだ。そんな中、メデューサの行きつけのペットショップで働いていた青年が、麻薬密売の容疑で逮捕される。彼はメデューサに対して密かにストーキング行為を働いていたことから、警察は連続殺人事件について、この青年がメデューサに近寄る男たちを追い払うために起こしたものと断定。これで一件落着かと思われた。ところがその後も、再びクラブの常連客が惨殺される事件が発生。果たして真犯人は何者なのか。マン捜査官が頭を悩ます一方で、メデューサは思わぬところで真犯人の正体に気づいてしまう。だがそのことにより、彼女は真犯人によって監禁されてしまうのだった…。
蛇神を信奉する殺人鬼が香港の夜を血に染める、オカルティックな雰囲気のサスペンス映画。本作の見所は何と言っても、毒を投与された者たちが目にする、悪夢のような幻覚の数々だ。女の顔がウロコだらけになったかと思えば、顔が前方に伸びていって巨大な蛇と化す。車の屋根が開くと、上空から無数の蛇が降ってくる。壁に開いた穴から大蛇が飛び出して襲い掛かってくる。大蛇の腹が突然膨れ上がって破裂すると、その中から血まみれの女が出てくる。これらの幻覚場面はどれもこれも強烈なインパクトを持っており、やっぱり「人蛇大戦 蛇」を生み出した国は違うなあ、と感心せずにはいられなかった。サスペンス部分はありきたりな内容だし、真犯人が死んだ途端に何の余韻も無くエンドロールに入ってしまうのもどうかと思ったが、おどろおどろしい空気は存分に堪能できる作品だ。
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