キラー・ゲーム 呪われた鬼ごっこ       「評価 D」
ハルストン大学に通う眼鏡少女ベッキーは、根暗な性格が災いしてクラスメイトから毎日のように嫌がらせを受けていた。ある日彼女は、図書館で借りた本をめくっていたところ、一枚の地図が挟まっているのを見つける。興味本位で地図が示す大学地下へ行ってみたところ、そこには古い指輪が落ちていた。彼女はそれを拾って身につけたところ、急に目が良くなり、翌日からは眼鏡と無縁の生活を送るように。眼鏡を外すと美少女だったベッキーに、大学の男たちはもうメロメロ。リーダー格の生徒たちも次々と声をかけてくるようになり、最早ベッキーは以前のようないじめられっ子ではなくなったのだ。ところがその一方で、ベッキーの頭の中には時折謎の映像がフラッシュバックされるようになる。自分とよく似た根暗な眼鏡青年が、大学の地下で屈強な男たちに追い回される映像が。実は30年前、大学に通っていた弱気な青年ロバートが、クラスメイトたちから嫌がらせを受けた末に殺されるという事件が発生していた。ベッキーの拾った指輪はロバートが持っていたもので、彼はベッキーの目をよくする代わりに、自らの復讐を遂げさせようとしていたのだ。ちょうどこの年、大学にはロバートを殺した連中の息子が何人も通っていた。そこでロバートはベッキーを操り、彼らを1人ずつ手にかけていったのである…。
「ザ・ヒル」のデヴィッド・デコトー監督による怨霊怪奇映画。2年前に製作された「ザ・ヒル」と同様、作中には逞しい肉体の美青年たちが半裸になるカットが山ほど出てきて、女性とゲイたちの心を躍らせる。一方で本作にはベッキーを始めとする美少女たちが多数出演しているのだが、彼女らのサービスカットはまるで出てこず、ノーマルな男性にとっては厳しい内容となっていた。「ザ・ヒル」といい本作といい、この頃のデヴィッド・デコトーは女性向けティーンエイジホラーの方向性でも模索していたのだろうか。それともデコトー監督はゲイに目覚めてしまったのだろうか。興味は尽きないところである。
そんな本作だが、正直言って映画の出来は芳しいものとは言えなかった。何より本作、復讐された人間たちの死因が、ベンチプレス中にバーベルを持てなくなって圧死といい、サッカーボールにつまづいて後頭部破壊といい、ナッツアレルギーといい、首吊りといい、どれも画的に見栄えのしないものばかりだったのが残念なところだ。おまけに話のテンポも悪く、観ていてどうもストーリーにのめりこむことができない。男性陣のサービスカット以外の点では魅力を感じさせてくれない作品だった。
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