バイオ感染           「評価 C」
近未来。地球では新種の病原体スキャブ・ウイルスが猛威を振るう。これは感染した者を凶悪なゾンビに変えてしまう恐ろしい性質を持っており、たちまち地上はゾンビの楽園となってしまった。辛うじて感染を免れた一部の者たちは地下のバンカーに隠れ、襲い来るゾンビ相手に抵抗を続ける日々を送っていた。そんなある日のこと、宇宙の果てから謎の結晶体が飛来する。地上に落下したそれは、スキャブ・ウイルスを浄化する力をもっており、もし手に入れれば世界中のゾンビを正常に戻すことができるかもしれない。そこでケリー率いる小隊は、結晶体を回収するため、ゾンビが跋扈する地上で決死の行軍をすることとなった…。
「ウインド・フォール」「ガーゴイル」のイオン・イオネスク監督による、SFアクション映画。殆どが森や平原や廃工場で撮影されたような低予算映画なのだが、そんな中でも、丘の向こうから無数のゾンビ犬が追ってくる場面といったスケールの大きい描写を用意しており、災害規模の大きさをしっかり示していたのには感心させられた。黒ずんで醜く変形したゾンビのメイクも、低コストながらクリーチャーらしさを発揮していて見栄えがする。ただこの映画、クライマックスの戦いが大して盛り上がらなかったのは辛かった。主人公がゾンビたちに追い詰められて大ピンチ、という状況でも別行動を取っている仲間がいることがハッキリ明かされているので観ていてハラハラしてこないし、最後の決着のつけ方も「銃を突きつけられているのにそれは無いだろう」といった感じで違和感を拭えなかった。総じて見れば凡作の域を出ない作品だ。
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