ファントム・ファイアー      「評価 C」
太陽表面で起こった爆発は、"生きた炎”という恐るべき怪物を生み出した。地球にやってきた怪物は、アメリカはミネソタ州の森林地帯に降り立ち、その場にいた消防士ダッチの恋人を焼死させた。それから40年後、消防士のジェイクが消火を終わらせて一息ついていたところ、目の前にいた同僚が、竜のように動く炎に捕まえられて焼死した。生きた炎が、再び活動を開始したのだ。長年怪物を追い続けていたダッチから、生きた炎の存在について教えられたジェイクは、ダッチや消防局のクリスと協力してこの恐るべき怪物を退治しようとする。しかしこの炎を利用して、世界に終末をもたらそうと企む男がいた。政府機関に所属している彼は、ジェイクたちに先回りして怪物を捕獲。そして石油コンビナートに直結するパイプに放つことで、大火災を巻き起こそうとしたのである…。
「ケルベロス」「プテロドン 零式戦闘機 vs 翼竜軍団」のジョン・ターレスキー監督による、火災モンスターパニック映画。本作の顔となる生きた炎は、体の一部である炎を飛ばして攻撃する他、実体化して人間を掴んだり、小さい炎となって狭い場所を移動したり、人間の中に潜り込んで一時的に操ったりと、多彩な芸当を見せてくれるのが持ち味だ。特に憑依能力については、炎にとり付かれた人間が目から火炎放射して攻撃する様子が物凄くシュールで味わい深い。だがこんなにバリエーションに富んだ能力で凄味を発揮しても、怪物が数年前に一度捕獲されていたというエピソードが語られるのと、政府機関の男がアッサリ怪物を捕獲したことによって、怪物の強大な印象が大きく薄らいでしまったのはいただけなかった。怪物が負ける様子を何度も見せられるおかげで、クライマックスの対決になっても心情的に盛り上がることができず、どうにも消化不良な感じが拭えなかったのだ。
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