合衆国感染 「評価 D」
ニューメキシコ州ディアブロ郡にて、馬や人間の血管が破裂するという奇病が発生。ただちに軍が駆けつけて郡全体を隔離するが、どういうわけか市街地への出入りを封じただけでなく、電話やインターネットまでも使用不能にしてしまった。「余計なデマが広がるのを防ぐため」と軍は説明するものの、住民たちは到底納得することができない。この状況下で、町の獣医シドニーは、近所に暮らす農場主スペンサーから恐ろしい話を聞かされる。これは軍が開発した細菌兵器の実験であり、このままでは住民たちは国家の躍進のために犠牲にさせられるというのだ。スペンサーはこのことを世界中に伝えるため、郡の境界を越えようと行動を開始した。シドニーは彼の話に半信半疑ながらも、彼に同行することに。だがあと少しで境界を越えられるというところで、2人は軍に捕らえられてしまった。そして始まる、軍からの尋問。その中でシドニーは、スペンサーの正体が反米思想をもったテロリストであり、アメリカを敵に回すためなら何でもやる男だと聞かされる。ならばスペンサーの話は、全くのデタラメだったのだろうか。それとも…。
ジェイソン・コネリー。ショーン・コネリーの息子であり、「スパイメーカー」で一躍有名になったものの、その後は「WISHMASTER リダックス」「テキサス・チェーンキラー ビギニング」など、とても主演作に恵まれているとは言えない経歴を辿っている彼が、初めて監督に挑戦したのがこの映画だ。感染した人間がグロテスクな変貌を遂げていく場面や、森林の中で軍隊から逃走する場面など、見せ場となる箇所は結構盛り込まれていた。中でも郡の検視官の死体が発見させる場面では、感染によって醜く変異した姿に在りし日の姿をオーバーラップさせ、ウイルスの恐怖感を倍加させていたのが印象深い。しかし作品は決して上出来とは言えず、荒んだ主人公が車を乗り回すシーンが3分近く続く、心情説明のために同じ場面を何度も繰り返す、といった素人臭い演出が鼻に付く内容だった。
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