ファイアー・フロム・ビロウ         「評価 B」
テキサス州のロスト湖周辺で、断層が無いにもかかわらず震度3の地震が観測された。そこで地震学者のジェイクは原因を調べるため、婚約者のカレンと共に現地に赴く。するとロスト湖周辺では、湖の中から焼死体が発見されたり、近隣の町の住民たちが数時間のうちにガス中毒で全滅したりと、地震以外にも異常な事件が多発していたのだ。更に湖から無数の火柱が上がるのを目撃した彼らは、これらの事件の原因が、地下に埋蔵されているリチウムにあると確信する。水に触れると爆発する上、炎が触媒となる水を求めて拡散するという、恐ろしい性質を持ったL6リチウム。大企業ドレイク社がロスト湖地下からこれを採掘したことから、幾つもの事件が起こっていたのだ。ジェイクは軍と協力し、地下鉱脈で窒素爆弾を爆発させることでL6リチウムの反応を止めようとするが…。
水に向かって伸びていく炎の恐怖を描いた、ジム・ウィノースキー監督の一風変わったパニック映画。序盤でジェイクたちが小さな村を訪れるので「ああ、また村を舞台にした小規模パニック映画か」と思ったら、その村が呆気なく滅びた上、山火事が発生し、ロスト湖下流のダムが決壊寸前になり──と、あれよあれよと言う間に災害のスケールが大きくなっていったのには驚かされた。本作の目玉となる「迫り来る炎」も、理論はともかくとして映像的に見栄えがし、作品を大きく盛り上げている。ラストの決着のつけ方が些か平凡だったのは残念だが、良作と言えるパニック映画だ。
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