ランド・オブ・ザ・ロスト         「評価 C」
フロストたち若者を乗せたクルーザーが、バミューダ海域で嵐に巻き込まれた。荒れ狂う風雨の中、船員たちが辺りを見回すと、暗闇の中に何やら裂け目のようなものを発見する。彼らが怪訝に思っていると、突如裂け目から眩い光が差し込んだ。そして気づいた時には、嵐はすっかり消え去っており、クルーザーは地図に載っていない謎の島の近くを漂っていたのである。フロストたちが島に上陸してみると、そこでは太古の恐竜たちが棲息しているばかりか、数十年前にバミューダ海域で行方不明になったパイロットや船員たちが、当時と変わらぬ姿でサバイバル生活を送っていた。この島は、バミューダ海域の揺らぎに巻き込まれた者たちが漂着する、時間の流れが存在しない空間だったのだ。探索を続ける中で、燃料切れの潜水艦を根城とするドイツ軍と協力関係を結んだフロストたちは、恐竜の巣に湧いている石油を使って潜水艦を動かし、島から脱出しようとするが…。
エドガー・ライス・バローズの「時に忘れられた世界」の、2度目の映画化作品。1度目の映画化作品だったケビン・コナーの「恐竜の島」は、原作の流れを忠実になぞろうとしたが故に序盤の潜水艦のシーンが冗長な印象だったが、一方の本作では舞台設定を現代に移し、バミューダ・トライアングルの設定を追加するなどの大胆な脚色を加えることで、メインとなる恐竜の島での冒険劇を早いうちから楽しめるようになっていた。潜水艦を守るドイツ軍との奇妙な友情や、時間の止まった島を出ることで浦島太郎状態になることへの不安など、脚色を基にしたドラマもなかなか味わい深い。ただ登場する恐竜に関しては、多彩な恐竜が見所だった「恐竜の島」に対して、本作でマトモに姿を見せてくれたのがティラノサウルスとプテラノドンぐらいで少々物足りなかった。しかもVFXの質が低く、戦闘シーンでは恐竜に銃を撃っても着弾処理がされていないといった粗が目立つのが厳しいところ。劇中で何度も伏線が張られた「海の怪物」が結局最後まで放置されていたのも腰砕けだし、怪獣映画としては満足のいかない出来だった。
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