(禁)いかがわシネマ団 フィーリング・アップ!      「評価 C」
ニューヨークのスラム街に暮らすカップル、デイビッドとシーラは破局の危機に瀕していた。すぐに他の女と寝て、仕事を辞め、二人の車も売ってしまう勝手気ままなデイビッドに対し、シーラはすっかり愛想を尽かしたのだ。そこでデイビッドは彼女の気を引きとめようと、ボロアパートの部屋をモダンに改築するも、彼女が大事にしていたウェッジウッドを無断で片付けてしまったことで逆に怒りを買う始末。とうとうシーラは実家に帰ってしまった。彼女がいなくなったことで、失意のどん底に沈むデイビッド。彼は誕生日にシーラを招いてよりを戻そうとするものの、その前日にうっかり黒人ダンサーのレベッカとベッドインし、翌朝二人でぐっすり眠っていたのをシーラに見られたからさあ大変。アパート内は大騒動になるが、最終的にレベッカの説得によって、デイビッドとシーラは何とか関係を修復した。これで一件落着かと思いきや、まだデイビッドの今後の生活についての問題が残っていた。失業保険が切れそうになったデイビッドは、お金を稼ぐ手段として、近所の住民らと共にポルノ映画製作に乗り出した。子供たちにヤクを吸わせて乱交パーティーに及ばせた様子を撮影した映画「少女のつぼみ」は大ヒットし、彼らは大金を手に入れる。みんなでスキーに行ったり、パーティーを開いたりと、楽しい毎日を過ごすデイビッドたち。とそんな中、シーラの妊娠が発覚する。毎日乱交パーティーをしていたため、父親が誰だか分からず困惑するシーラ。するとデイビッドは、近所のみんなで結婚して、1つの夫婦になろうと提案した。たちまち開かれる、花嫁花婿だらけの結婚式。そして数年後、スラム街は様々な人種の者たちが家族として和気藹々と暮らす、幸せな空間になっていたのだ…。
「ドラッグやセックスでみんなが1つになれば幸せさ!」というヒッピー思想に溢れた内容の、トロマ製作のピンクコメディ映画。もちろんトロマらしい下らないギャグは健在で、ウェッジウッド製の張形のCMが流れたり、慌てて外に飛び出したデイビッドが犬のウンコを踏んだり、ポルノ映画の感想を聞かれた男がギンギンのいちもつがはっきり分かるパンツを見せたりと、次々と繰り出される脳天気ネタの数々には眩暈がしてくる。ただこの映画、アパート内でクッションや野菜などの物が飛び交う中で、大勢の人物が入り乱れるハチャメチャなパニックシーンが二回用意されており、その大時代的なノリが好きな人間としては結構楽しむことができた。
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