カウントダウン 地球滅亡の日     「評価 D」
中東の争乱が収まり、ようやく世界が1つにまとまろうとしていた時、それは突如としてやってきた。ロスを皮切りに、東京、北京、オーストラリアを次々と襲う巨大地震。そして大都市を襲う巨大竜巻。人々の平和を引き裂かんとするかのように、幾つもの自然災害が世界各地で立て続けに発生したのだ。そんな中、アメリカに在住していたTVレポーターのアリソンは、元夫のユダヤ人マークによって愛する娘メアリーを攫われてしまう。マークの知り合いのシリア人の話から、彼がイスラエルにいると聞いたアリソンは、娘を取り戻すべく現地へ飛んだ。ところがその頃のイスラエルは、「相次ぐ災害は世界終末の前触れだ」と信じるユダヤ人たちと、「ユダヤ人が世界を滅ぼそうとしている」と信じて密かにユダヤ人狩りを開始する反ユダヤ勢力とが、水面下で争う危険地帯となっていた。戦いに巻き込まれ、様々な苦難を乗り越えながら、アリソンはメアリーを探して彷徨うが…。
「アポカリプス 地球最後の日」のデヴィッド・マイケル・ラット製作による、ディザスター映画の皮をかぶった宗教映画。前半こそ地震や竜巻などの災害が出てきてパニック映画らしさを醸し出しているものの、それらは全て映画後半に発生する宗教戦争のための理由付けに過ぎない。アリソンがイスラエルに飛んでからは、それまでのパニック映画らしさなんか微塵と消え去り、「終末に人はどう生きるべきか」といったテーマを軸に人々が語り合ったり争い合ったりする、「アポカリプス 地球最後の日」と非常によく似た匂いを漂わす宗教映画へと様変わりしてしまうのだ。まだ「アポカリプス〜」に比べると、寺院の爆破や反ユダヤ勢力との攻防といった分かりやすい見所が盛り込まれているので、作品後半も何とか観られる出来にはなっている。が、それでもキリスト教と縁遠い身分としては、終始居心地の悪さを味わい通しだった。間違ってもパニック映画らしい爽快感を期待してはいけない作品だ。
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