巨大クモ軍団 VS GO!GO!ダンサーズ 「評価 C」
ストリップ劇場のオーナーをしているラルフは、窮地に立たされていた。経営が行き詰まり、数日の間に5万ドルを用意できなければ店を手放さなければならないのだ。そこでラルフは起死回生の手段として、大量の麻薬を購入。それを売りさばいて大金を稼ぎ、店を維持しようと目論んだ。ところが購入した麻薬の箱には、何百匹もの吸血蜘蛛が紛れ込んでいたのだ。すぐに蜘蛛たちは劇場まで這い出てきて、バーテンダーの血を吸ってしまう始末。これに困ったラルフは、害虫駆除の専門家バズを雇い、蜘蛛の退治にあたらせようとした。しかしこの吸血蜘蛛たちは、そんじょそこらの蜘蛛とは一味違っていた。殺虫剤を浴びて巨大化するだけでなく、人体に寄生することで、怪奇な蜘蛛男へと変貌を遂げたのである…。
「レイダース 失われたゾンビ」「ダイナソーウォーズ」「アラクニア」のブレッド・パイパーによる、ゆるーい雰囲気のパニック映画。彼の作品に付き物の「一昔前の特撮技術」は本作でも健在で、ワラワラと這い出てくる吸血蜘蛛たちは物凄くチープなCGで描かれていて質感皆無だし、終盤に出てくる蜘蛛人間は「アラクニア」の巨大蜘蛛と同様にストップモーションアニメで動いているのだから驚きを禁じえない。本作ではそんな蜘蛛たちがストリップ劇場で大暴れするわけだが、その合間合間にオツムの弱いストリップダンサーたちによるお馬鹿な掛け合いが挟まれるおかげで、緊張感が微塵も感じられない牧歌的な出来に仕上がっていた。クライマックスの対決でも「アラクニア」のような豪快な大逆転劇があるわけでなく、地味に怪物を倒し、地味にストリップ劇場から脱出し、地味なまま幕を閉じるから、盛り上がるに盛り上がれない。徹頭徹尾気の抜けるような演出で統一された、トロマ映画のような作品だった。
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