メガ・パイソン           「評価 C」
アフガニスタンの鉱山地帯。スタンレー中尉ら米軍の一小隊は、タリバンが鉱坑で採掘しているものを調査するために、採掘場へと移動していた。ところが目的地に到着するや否や、彼らはタリバンの奇襲を受け、敢え無く捕虜となってしまう。アジトに監禁され、視界をふさがれ、両手を拘束される一行。最早これまでかと思ったとき、突如近くで大きな音が鳴った。次いで幾つもの銃声と悲鳴が聞こえたかと思えば、辺りは急に静まり返る。何とか自力で拘束を解き、視界を取り戻した中尉たちは、アジトの外に出てみた。すると先ほどまで何十人といたタリバン兵たちが、1人残らず消えていたのである。いったいここで、何が起こったというのか。一同は不安に駆られ、ひとまず撤退をすることにした。とそこへ、味方のヘリがやって来た。スタンレーたちは救援の登場に安堵し、ヘリに向かって手を振った。だが次の瞬間、彼らの顔は凍りついた。地中から30メートル近くもの長さを誇るミミズの怪物が出現し、ヘリコプターを叩き落したのである…。
邦題が「メガ・パイソン」で、原題も「SAND SERPENTS」となっているが、本作は蛇映画ではない。「トレマーズ」のグラボイズをスマートにしたような外見の巨大環形動物が米軍とタリバンを地獄に陥れる、地底モンスター映画の一本だ。本作の怪物は攻撃手段が相手を真上から丸呑みにするだけで、グラボイズの多芸多才ぶりに比べるとややシンプルすぎるきらいがあるが、それでも地中をモリモリ掘り進んで地上の人間を捕食する、という地底怪獣の王道をいく暴れ様は、観ていて実に清々しかった。個性溢れる兵士たちの粋なやり取りや、ラストの妙にシュールな自爆攻撃などの見所もあるし、地底怪獣好きならば一見の価値がある作品である。
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