デッドリー・スポーン3       「評価 D」
生物学者のクラーク博士は同僚たちと共に、人間の細胞を再生させる新薬の開発に取り組んでいた。ある晩、クラーク博士が1人で実験に勤しんでいると、研究所へ強盗が押し入ってきた。強盗たちはクラーク博士を拘束し、金目の物がある場所を問いただすも、クラーク博士は適当な嘘をつくばかり。怒った強盗たちは、作業台の上に置いてあった薬を適当に混ぜて博士に飲ませる。すると博士は様々な薬が及ぼす激しい効果に耐え切れず、気を失ってしまった。やがてクラーク博士が意識を取り戻すと、研究所内では警察たちが現場検分をしていた。警察の話によると、強盗たちはクラークが気絶していた間に、何者かに刃物のようなもので八つ裂きにされていたらしい。その後、クラーク博士は頻繁に意識を失うようになり、彼の意識が無い間に、町では同様の手口による惨殺事件が発生するようになった。彼は薬の作用により、時々醜悪な姿の殺人ミュータントに変貌するようになっていたのだ…。
「デッドリー・スポーン2」と同様、内容的なつながりは無いのにテッド・A・ボーハス製作というだけで「デッドリー・スポーン」シリーズとして扱われているSFモンスター映画。「2」に比べて予算が非常に少ないと見え、画面作りが「1」のようなインディーズっぽい雰囲気に逆戻りしている。それで残虐表現の度合いも「1」と同レベルに戻っていたら良かったのだが、困ったことに本作の凄惨描写といったら「1」はおろか「2」にすら大きく劣るレベルだった。クラークが変身するミュータントは「毒々モンスター」をシリアスにしたような風貌をしており、指や腕の骨をミサイルのように飛ばしたり、手首から伸びる血管で相手を縛り付けたりして人々を襲う。しかしこの襲撃シーンときたら、のんびりした演出と抑え目の流血のせいで嫌悪感もへったくれもない出来で、とてもじゃないが無残さに酔うことなんてできなかった。更にクライマックスではミュータントが骸骨のような外見の巨大クリーチャーに変貌するが、こいつもチープなビデオ合成のせいで迫力に欠け、いまいち魅力に乏しい。「デッドリー・スポーン」の名を冠してはいるものの、本家の圧倒的なパワーをまるで感じ取ることのできない凡作だった。
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