デッドリー・スポーン2 惑星からの物体X    「評価 B」
タロス社は政府からの依頼により、宇宙からやって来たミュータントの細胞組織を研究していた。ところがある日、細胞の培養に取り組んでいたフォスター博士が、誤ってミュータントに腕を噛まれてしまった。未知の細胞が体内に入ったことでフォスター博士の肉体は見る見るうちに変質し、やがてワニのような口をもつ凶悪な殺戮生物へと変わり果てた。理性を失ったフォスターに襲われ、次々と命を落としていく研究所の面々。そんな中、フォスターに殺された警備員の娘たちが、いつまでも父親が帰ってこないのを不審に思い、危険地帯と化したタロス社へとやってきた…。
同じテッド・A・ボーハス製作ということで「デッドリー・スポーン」の続編扱いになっているが、内容的には「デッドリー・スポーン」とは何の関係も無いSFモンスター映画。良くも悪くも自主映画的だった「デッドリー・スポーン」とは打って変わって、ちゃんと映画として適切な画面作りや場面編集がなされており、この点では前作よりも安心して観ていることができた。しかしこのようにメジャーを意識した内容になったせいなのか、本作では前作のセールスポイントだった嫌悪表現が随分と抑え目になっていたのは残念だった。頭を噛まれても首がもげず、幼生態が顔に張り付いてもヒルに噛まれた程度の怪我しか負わない。たまに研究員が悲惨な殺され方をしても、殺される様子は一切画面に映らず、壁に大量の血しぶきがかかるのを映すという市川崑ライクな演出でお茶を濁す有様だ。このように前作レベルの残虐表現を期待すると肩透かしを食らってしまうが、フォスターやミュータントの歪な造形は素晴らしいし、ラストに前作同様のサプライズを盛り込んでいたのも評価できる。単体のモンスターパニックとしては十分に楽しめる作品である。
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