メテオ 超巨大隕石激突          「評価 C」
メキシコのバハ半島にある天体観測所。リーマン博士が助手のイモジェンと共に小惑星の軌道を調べていたところ、恐るべき事実が判明した。小惑星カサンドラが彗星との衝突によって破壊され、流星群となって地球に向かっていたのである。その衝突は遅くても48時間後であり、更にそれらの中には直径100キロを越える巨大隕石も混じっており、直撃したら人類の滅亡は確実だった。早速アメリカ西海岸には幾つもの隕石が降り注ぎ、アメリカではブラッサー将軍の指揮のもと、巨大隕石対策本部が置かれることとなった。本部にはリーマンの知り合いの天文学者チェトウィンが付いていたが、なにぶん隕石群に関するデータが揃っておらず、軌道計算すらままならない状況。そこでリーマンとイモジェンは、隕石の被害により通信が遮断された中で、一刻も早く観測データを届けるためにアメリカへと車を走らせた。だがその途中、車から降りたリーマン博士は急に突っ込んできた車にひき逃げされ、命を落としてしまう。残されたイモジェンは、リーマン博士のデータを携え単身アメリカ本土に向かった…。
「エイリアンノイド」「アナコンダ・アイランド」のRHI社が製作した、天体衝突TVムービーの前編。観測データを対策本部に届けようとするイモジェンのエピソードをメインに据え、その合間合間に隕石の落下をめぐる様々な人物のドラマが挿入される。最初に落ちた隕石によって家を燃やされた不幸な男・ラスのエピソードでは、息子の乗った通学バスが隕石によって横転し、息子が重傷を負って妻の働く病院に収容されたかと思えば、更にその病院にまで隕石が落ち、妻と息子が瓦礫の中に閉じ込められてしまう──という散々な顛末が語られる。刑事ジャックのエピソードでは、捕らえたばかりの凶悪犯カルが逃走し、ジャックへの復讐のために彼の娘ジェニーを誘拐して山小屋に立て篭もったので、ジャックは娘を救うために山小屋へと潜入する──という隕石とは全く関係のない話が展開する。そのジャックの父の保安官のエピソードでは、隕石によって町の治安が悪くなる中、荒くれ者たちが暴れるのを防ごうとする保安官の活躍が描かれる。これらのサブエピソードの中ではラスの話がダントツに面白かったが、いずれのエピソードも妙にスケールが小さいのは如何なものだろうか。おかげでイモジェンがアメリカに向かうメインエピソードまで、警官を襲った凶暴なメキシコ人に監禁されるとか、封鎖された国境を通過しようとして警察に捕まるとか、暴走したトラックに衝突して車が転倒するとか、まるで隕石とは関係のないトラブルばかり続き、とても地球規模の災害が起こる映画とは思えない様子だったのには頭が痛くなった。このスケール感の無さを、後編で何とか払拭してくれればいいのだが。
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