ビキニ航空 「評価 D」
パツキングラマー美女のテリーはある日、小さな航空会社を経営していた伯父が急死したことにより、突如として会社を譲り受けることとなった。ところがこの会社「ジャナス航空」ときたら、パイロットたちが受付を兼業しているほどの貧乏会社で、倒産するのも時間の問題。困ったテリーはポルノ雑誌のカメラマンをしている婚約者ジムのアイディアから、会社をセックスが売りの「ビキニ航空」に改称。色ボケ男性客たちのハートを狙い打ちにすることにした。会社改装の一環として、ジムの知り合いのセクシーモデルたちがビキニ姿のスチュワーデスとして働くことになり、空港にやってきた男たちは生唾ごっくん。そんな中、石油王ゲイリーの婚前パーティーが、ハリウッドからマイアミにフライトするビキニ航空の機内で行われることが決まった。もしこれに成功したら、多額の報酬を貰って会社を再建することができる。そこでテリーはゲイリーや親族の男性たちに何としてでも喜んでもらうべく、最高級のサービスで彼らをもてなすことにした。お色気ムンムンなスチュワーデスたちが次々と繰り出すピンクサービスの数々に、ゲイリーたちも思わずニヤケ顔。たちまち機内はくんずほぐれつの乱交パーティー会場へと姿を変えた。しかしジムまでもが彼女たちの色香にノックアウトされ、うっかりモデルの一人とナニを始めたからさあ大変。その現場を目撃したテリーは大きなショックを受け、ついついゲイリーに抱かれてしまうのだった。ゲイリーは結婚式を明日に控える身だったが、その点は大丈夫。なにせ彼の婚約者フランシーンは同じ頃、彼のプレゼントを届けにきたタフガイの男性フェロモンにあてられ、家のソファーやベッドでしっぽりしていたのだから…。
「ソーラー・デストラクション 地球壊滅」「スネーク・ダイヴ」のフレッド・オーソン・レイが、ニコラス・メディナ名義で監督したハッピーポルノ映画。とにかく全編にわたってトロマ級に下らない脱力ギャグが散りばめられており、常人ならば10分も見ればたちまち気が狂うこと必至の壮絶極まりない内容だった。この映画にかかれば、飛行機のエンジン音が車のものになっているなんてのは当たり前。テリーの伯父が複葉機を操縦中にお姉ちゃんのボインに見とれて民家に激突したり、離陸時の機内の振動でスチュワーデスが絶頂を迎えたり、機長たちが目を話している間に窓の外をUFOが飛んでいたり、操縦席に電気ショックのボタンがついていてうっかり押したパイロットが感電したりと、書いているこちらが恥ずかしくなってくるような素晴らしいダウナーギャグが怒涛のように垂れ流されるのだから、観ている方は堪ったものじゃなかった。ただ本作、映画のラストに「近日公開 ビキニ・フランケンシュタイン」なんて予告テロップが出てきたり、「製作中女性がケガしたり殺されたりはしてません」という「食人族」騒動を彷彿とさせる注意書きが出てくるところなんかは、B級映画好きを狙ったギャグを得意とするフレッド・オーソン・レイ監督の本領が発揮されていて楽しかった。
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