スネーク・ダイヴ          「評価 C」
米軍の古い潜水艦サンタミラ号が、このたび台湾に売却されることとなった。そこでオニール大尉は上官から、サンタミラ号を沖縄の基地から台北に届けるようにとの命令を受ける。すかさず現地に赴き、サンタミラ号に乗り込むオニールだったが、いざ台北に向かおうとした矢先、上官から別の命令が送られてきた。なんでも東シナ海に浮かぶ中国領のマンクー島において、中国軍が軍事演習を行うことが判明したらしい。それだけなら何も問題はないのだが、まずいことに米軍は中国に無断で、マンクー島にワクチンの研究施設を作っていた。これが中国に知れたら国際問題になるので、サンタミラ号には中国軍が上陸する前にマンクー島に行き、速やかに研究施設を撤収させて欲しいというのだ。オニールは突然の命令変更に戸惑いながらも、何とか中国軍が来るよりも早くマンクー島に到着し、アンドレアたちワクチンの研究者と、研究材料の入ったコンテナを艦内に積み込むことに成功した。ところが、本当の災難はこれからだった。マンクー島を離れる途中、研究資料のコンテナが乗務員のミスにより開かれてしまった。するとコンテナの中から、無数の蛇が這い出してきたのである。アンドレアたちはワクチンの材料として、放射能に冒されても生存する、攻撃性の高い新種の蛇を開発していた。それが解き放たれたものだから、艦内は瞬く間に蛇・蛇・蛇の大フィーバー状態に。この事態を収めるべく、オニール大尉たちは蛇の掃討を試みるが…。
「スネーク・フライト」では空飛ぶ旅客機を、「スネークトレイン」では大地を走る列車を蹂躙した蛇さんたち。そこで「今度の標的は海の乗り物だ!」と言わんばかりに世に送り出された本作は、また同時にフレッド・オーソン・レイ監督が「ホットゾーン」以来8年ぶりに蛇映画に挑戦した作品でもある。艦内のパイプを伝って至る所から姿を現す神出鬼没な蛇の描写は潜水艦という舞台設定をうまく活かしていると言えるし、中国軍の演習の巻き添えを受けて事態が悪化するなど、きちんと潜水艦映画としての見せ場も盛り込もうとしている辺りにはスタッフの確かなサービス精神が窺えた(ただし、中国軍の潜水艦の映像は在り物のフィルムの使いまわしだったが)。映画冒頭で人間を丸呑みするぐらいのサイズを見せ付けていた大蛇が、潜水艦に入った途端ふた回りぐらいサイズダウンしていたのは拍子抜けさせられたものの、パニック映画としてはなかなか楽しませてくれる作品である。
蛇映画一覧へ
TOP PAGE