ソーラー・デストラクション 地球壊滅 「評価 D」
走行中の列車が制御装置の異常で暴走し、駅に衝突するという大惨事が発生した。やがてこの事故は太陽波による電力トラブルが原因と判明するものの、世界中の科学者たちはこれを一時的なものと見なし、こんな事態は二度と起こらないだろうと見なしていた。ところがそんな中、エンパイア大学に15歳で入った天才少年のライリーは、環境変化により大気がフレアを防げなくなっており、もうじき地球規模の電気異常が起こることを予測した。たまたまエンパイア大学に講義に来ていた女性気象学者のクラーク博士は、ライリーからこの予測データを見せられ、急いでこれを世界中に公表しようとする。しかし彼女の研究所に助成金を出している大企業の社長マーシャルは、このことを知るや否や、データを独占して莫大な利益を得ることを考え、ライリーたちの監禁に乗り出した…。
「女切り裂き狂団チェーンソー・クィーン」「アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン」のフレッド・オーソン・レイ監督による、パニック映画の皮をかぶったサスペンス映画。冒頭の列車事故や、ライリーが世界規模な災害が起こることを予測する辺りまでは如何にもパニック映画らしい雰囲気で進行するが、その後は予測データを公表するためのマーシャルとの攻防に話がシフトし、肝心の災害シーンは映画の終盤にちょっとだけ出てくるだけで実に呆気なく終了する。この人を食ったような展開には、B級映画好きのツボをついたギャグを得意とするフレッド・オーソン・レイ監督らしさが感じられた。しかし本作、ストーリーの軸となるマーシャルとの攻防が、マーシャル側の頭が悪すぎて緊張感の欠片もなかったのが厳しいところ。おかげでパニック映画としてもサスペンス映画としても中途半端な内容になってしまい、どうにも楽しむことができなかったのだ。
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