ニンジャ・チアリーダー      「評価 B」
ロスの短大に通う3人のチアリーダー、エイプリル、モニカ、コートニーには2つの秘密があった。1つはブラウン大学に編入するお金を集めるため、夜な夜なストリップ劇場でアルバイトしていること。そしてもう1つは、空手道場の師範ヒロシのもとで、ニンジャとしての修行を積んでいることだ。この三重生活は何かとトラブルも多かったが、ストリップ小屋では花形的存在となって大金を稼ぎ出し、ヒロシからは一人前のニンジャとして認められ、彼女らはうまく日々の生活を送っていた。だがそんなある日のこと、かつて彼女らの町を荒らしまわっていたマフィアのドン、ラザロが仮釈放された。するとラザロは手始めに、かつて自分らが拠点を構えていた建物である、ヒロシの道場を奪いにかかったのだ。ヒロシは何とか道場を守り抜こうとしたが、やがて強硬手段に出たマフィアによって敢え無く監禁されてしまう。それを知った三人のニンジャ・チアリーダーは、恩義あるヒロシを助け出すため、ラザロのアジトへと乗り込んだ…。
キュートで鬼畜なニンジャ・チアリーダーがゴロツキやマフィアやくの一たちと緊張感のない戦いを繰り広げる、アクション・コメディー。チアリーダーがニンジャ修行を積む──というコンセプトでは既に「チアリーダー忍者」が轍を残しているが、ニンジャの描写が極めてテキトーで終始ユルユルな空気が漂っていた「チアリーダー忍者」に対し、本作は切り合いの途中で携帯電話がなって戦闘が中断する──なんて腑抜けたギャグが散りばめられているとはいえ、ニンジャ修行の内容が地に足のついたものになっているし、ニンジャ・チアリーダーたちの戦法も刀に手裏剣に空手に合気道と、さほどブッ飛んではいない(トンデモ忍術描写と言えば、せいぜいヒロシが刀から火花を散らす程度)。同じ狂気じみたコンセプトでも締めるところは締めており、「チアリーダー忍者」と好対照であるように感じられた。また本作は主人公の3人を始め、個性豊かで味のある登場人物が多いのも魅力だ。チアクラブの顧問やストリップ小屋の常連客、後半から戦闘に参加するくの一のキンジなど、彼ら脇役と主人公3人組との掛け合いが小気味よく描かれており、観ていて実にすがすがしい。こんな辺りに、単に色物企画に終わらせまいという製作者の意気込みをひしひしと感じさせてくれる作品だった。
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