ニンジャvsカンフー          「評価 D」
マッカーシー議員の息子が、テロリストグループ"ブラックマスク団”によって誘拐された。ブラックマスク団は大量の武器を所有しているだけでなく、リーダーのダーク・モンクが並外れたカンフー技の持ち主ということもあり、到底警察なんかでは太刀打ちできる組織ではなかった。だがそんな時、エース、ポイントマン、ビッグMF、サイコたち凄腕の超人によって構成された正義のニンジャチーム"フィスト”が颯爽と出現した。彼らは議員の息子を救うため、またダーク・モンクとの何百年にもわたる因縁にケリをつけるため、ブラックマスク団の打倒に乗り出したのだ。しかしダーク・モンクも大人しく倒されるような男ではない。彼はフィストを抹殺すべく、幾重にも罠を仕掛けて彼らを消耗させていったのだ…。
悪の拳法家と正義のニンジャが激突する、アメリカ発のニンジャムービー。本作のように忍術とカンフーの激突を扱った映画は既に何本か作られているが、それらは「少林寺vs忍者」「忍者vs阿羅漢 遥かなる王道」「激突!少林拳対忍者」など、アジアの映画が中心だった。アメリカでも数多くのニンジャ映画が作られていたが、向こうはニンジャの描写にリアルさを追求しないためかカンフーとの明確な区別化が難しいようで、両勢力の激突をメインに据えた映画は作られていなかった。そんな状況下で作られたこの映画。やはり現実的なニンジャの描写は好まれていないと見え、ニンジャたちは予知能力や高速移動などの超能力を持った超人軍団として描写されていた。それはカンフー側も同様であり、本作では「少林寺vs忍者」のような本格的な日本武術とカンフーアクションの対決は描かれておらず、殆どエスパー映画に近い内容となっていたのだ。しかしそれで面白かったら問題ないが、本作はストーリーが極めて単調な上、「フィストの面々が何らかの事件現場に向かう→それは敵の罠で、奇襲を受ける」という展開がお約束のように何度も出てきて、観ていてストレスが溜まってくるから困る。車より速く走る、四方から放たれた弾丸を刀で全て叩き落すといったアクションがスタイリッシュに演出されており、映像的にはなかなか見ごたえがあるものの、それだけで観客を93分間引っ張っていくのは無理がある。ラストまで観ていくのは辛いものがある映画だった。
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