ヒドラ               「評価 D」
ギリシャ文明を研究するヴァレリーたちは、ヘラクレスが使ったという剣の在り処を求めて、地中海に浮かぶ火山島へとやってきた。だがいよいよ剣の隠されている洞窟へと入ろうとした時、ギリシャ神話に出てくる複数の首を持つ大蛇“ヒドラ”が突如として現れ、彼女らに襲いかかった…。それから数ヵ月後、ノーランら4人の犯罪歴のある男女が、何者かによって拉致され、巨大な客船に乗せられた。彼らを誘拐したのは、大富豪キャムデンによって雇われた船員たち。キャムデンは金持ちたちから金を集め、犯罪歴のある人間を標的としたハンティングツアーを企画していたのである。やがて客船は小さな無人島に停泊し、獲物のノーランたちは一足先に野に放される。その24時間後、犯罪者に恨みを抱く金持ちたちが銃火器を携え、次々と島へ降り立った。開始される狂気のハンティング。だがそんな彼らを、凶暴なヒドラが狙っていたのだ…。
ギリシャ神話の怪物ヒドラが現代に蘇る、「エンバイロン」のアンドリュー・プレンダーガスト監督によるモンスターパニック映画。本作のヒドラは神話同様、首が切断されると切断面から複数の首が生えてくるのが特徴。こうして増えた首で獲物にかじりつき、股裂きや腕裂きといった残酷プレイを存分に見せつけてくれたのは嬉しかった。しかし本作、ヒドラが人間を攻撃する描写はいいのだが、逆に人間がヒドラを攻撃する場面の描写は非常に説得力に欠けるものとなっていた。ヒドラの強さが場面によってまちまちで、あるシーンでは銃弾を何発くらってもピクリともしなかったかのに、別のシーンでは銃撃で簡単に頭が弾け飛ぶ。また唯一の弱点であるヘラクレスの剣でヒドラに立ち向かう場面では、ヒドラは攻撃したり逃げたりする素振りを全く見せず、ただフラフラと動いては次々に首をはねられていく。これらの描写の適当さ加減のせいで、ヒドラの魅力が大きく損なわれていたのは残念でならなかった。
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