ジュラシック・レイク       「評価 C」
スコットランドのネス湖でネッシーの調査を行っていた一団が、巨大な卵を発見した直後、謎の怪物に襲われて消息を絶った。それから30年後、アメリカのスペリオル湖では、釣り人たちが次々と行方不明になった後、惨殺体となって発見されるという事件が発生した。地元の警察はワニか何かの仕業ではと推察するが、湖へ地形調査に来ていた生物学者のジェームズは全く別の犯人像を浮かべていた。ネス湖を離れたネッシーが、湖底のトンネルを通ってスペリオル湖にやってきたというのだ。水辺でネッシーの子供の死体が発見されたことから自らの正しさを確信したジェームズは、警察と共にネッシーが巣を作っている廃坑へと向かった。30年前に殺された、調査隊の仲間の仇を討つために…。
残酷非情なネッシーが青い湖を血に染める、「スネークヘッドテラー」のポール・ジラー監督によるモンスターパニック映画。本作のネッシーは広く知られているプレシオサウルスの姿とは違い、後頭部に大きな背びれが付いているのが特徴的。水中から飛び出してきて獲物に食らいつくだけでなく、パイプの中に隠れた人間を食らうためにパイプの端を持ち上げるなど、高い知能を見せてくれたのが「今まで発見されなかった生命体」らしさを醸し出していて嬉しかった。ただし本作、クライマックスの舞台が水気の少ない廃坑なのは残念だった。せっかく水中の動きに秀でたネッシーを題材にしているというのに、ネッシーと子供たちは乾いた地面をノロノロ這って進むだけで、緊迫感があまり湧いてこなかったのである。同じネッシー映画の「ロック・ネス」みたいに薄暗い水中戦ばかりでなかなかネッシーの全体像が見えてこないのも困るが、せめて最後の決着ぐらいは、ネッシーの強みが発揮される湖の中でつけてほしかったものだ。ポール・ジラー監督は「スネークヘッドテラー」で、あれだけ豪快な最終決戦を見せてくれたのだから。
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