悪魔の毒々パーティ      「評価 B」
ハワイの原発近くにあるコサ高校では、近々開かれるダンスパーティーに向け、学生たちがパートナー探しに躍起になっていた。しかしそれはあくまで、明るく楽しい学園ライフをエンジョイしている学生だけの話。そういった連中に常日頃から背を向けているSF同好会の面々にとってダンスパーティーなんか糞くらえであり、彼らはダンスパーティーの晩に高校裏の墓場を探検する計画を練っていた。そして当日、学生たちが校舎内でダンスをエンジョイしているのを尻目に、墓場の探検へと繰り出すSF同好会。ところが霊廟に足を踏み入れた彼らは、突如出現したゾンビの群れに襲われた。原発から流れ出る廃液のせいで、墓場の死人たちが蘇ってしまったのだ。ゾンビたちは町中に溢れ出し、平和な町は大騒ぎに。そんな中、アルバイトのせいでパーティーに行けなかった駄目学生のジミーは、ガールフレンドを助けるためにゾンビがひしめく高校へと向かった…。
高校の裏に原発が建っているという舞台設定が「悪魔の毒々ハイスクール」を彷彿とさせる、非トロマ社製のゾンビ映画。本作は同時期にリリースされた「悪魔の毒々バーガー 〜添加物100%〜」とは違って脱力系のギャグはそれほど無く、あまりトロマっぽさは感じられない。だが徹底したグロ描写とハイテンションなノリが素晴らしく、普通のゾンビ映画として十分に楽しむことができた。特に映画の後半、主人公のジミーがSF同好会の面々や軍隊かぶれのコーチたちと合流し、釘バットや斧、鉈、鎌などで武装してダンスパーティー会場へ殴り込みをかける辺りからのスプラッター描写の連続は圧巻。投げられた首をバットで打ってホームラン。ハイヒールを顔面に突き立てる。釘バットで生首をミンチに。斧でゾンビを縦に真っ二つ。どの場面も気合の入った凄惨な作りをしており、ただただ興奮するばかり。更に「ロックを聴いたらゾンビは大人しくなる」という設定によって、映画の要にロックが演奏されて作品を否が応にも盛り上げてくれたのも見逃せない。ただ、「これから発電所を潰しに行こう」というところで映画が終了するので若干の消化不良感は否めないのは残念なところだ。トロマ映画が好きならば「悪魔の毒々バーガー 〜添加物100%〜」を、単純にゾンビ映画が好きならば本作の方を観るといいだろう。
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