ママはモンスター         「評価 C」
TVリポーターのクレイは、ロスアンゼルスで起こっている連続殺人事件について追っていた。そんなある日のこと、彼の母親エミリーは、ネスターと名乗る男を下宿人として住まわせることにした。しかし実は、ネスターは人間を食らうことで生き永らえるモンスターだった。エミリーは本性を現した彼に噛みつかれ、自身も同様のモンスターとなってしまった。夜な夜なネスターと共に貧民街へ行き、ホームレスを喰い殺していくエミリー。クレイはその事実に気付き、何とかしてエミリーの食人癖を止めようとするが…。
母親が食人鬼になってしまった男の苦悩を描いたホラーコメディ。クレイは母親を見張るために仕事をクビになり、妻とも離れ離れになり、しまいにはノイローゼになってしまう。その姿はまさに認知症の母親を介護する息子さながらであり、全編ドタバタ調のノリで味付けされてはいるものの、シビアなストーリーが展開されていて見ごたえがあった。ただ本作、クレイが母親の秘密を誰にも打ち明けないことについて、説得力のある説明が欲しかった。警察とかに突き出して母親を苦しませたくないと思ったのかもしれないが、一人で見張るのには限界がある以上、母親はクレイの目を盗んで人を喰い殺してしまうだろう。クレイには頼れるパートナーがいるのだから、周囲と隔絶などせず、周りと相談することで状況を打開すればいいのにと思えてならなかった。
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