壊滅暴風圏 ファイナル・カウントダウン    「評価 C」
ニューヨークで、気象異変による災害が多発していた。上空を飛んでいた飛行機が乱気流に巻き込まれて墜落し、リバティ島で竜巻が発生して自由の女神の腕が折れ、ミッドタウンでは急激な気温低下によって多くの人間が凍死する事態に。そこで気象学者のキャシーが原因を調べたところ、ニューヨークの上空に木星の大赤斑と同じような大気の渦が出来ており、それが様々な気象異常を引き起こしていることが判明した。この渦を散らすには人工降雨を行うのが一番だが、市長のレオナルドはNASAに頭が上がらず、なかなか許可を下してはくれなかった。その間にも災害は深刻化していき、ニューヨーク大気中に静電気が充満し、電気を帯びた竜巻が発生するというとんでもない事態に。キャシーは夫のジムや、町はずれに住むリゲンホーン博士と協力して、何とか大気の渦を打ち消そうとするが…。
「クラーケンフィールド HAKAISHIN」のティボー・タカクス監督によるディザスタームービー。同じ日活配給ではあるがディック・ローリイ監督の「壊滅暴風圏 カテゴリー6」「〜7」とは何の関係もない内容であり、本作の災害描写はあのシリーズの映像美と比べると大きく見劣りするものとなっている。しかし本作は、乱気流に竜巻に気温低下に静電気と、災害のバリエーションで勝負しており、次から次へと新たな災害が発生する様子には幕の内弁当的な楽しさがあった。また、電柱に繋がれていた犬たちが飼い主の見ていない間に竜巻に攫われていく──という、犬好きならば涙なくして見ていられない悲惨な場面があったのも忘れ難い。キャシーの姪たちがリバティ島の地下に閉じ込められている場面に時間を割きすぎていたり、肝心の解決場面がアッサリしすぎていたりと、パニック映画としてはチラホラと欠点が窺えるものの、災害描写においては見ごたえのある映画だった。
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