エイリアンノイド 「評価 B」
ボストンで流行する疫病。ホワイトフォール社はそれを治療する効果があるというハイドロピュアウォーターを開発し、人々に飲ませていた。ところが、疫病に苦しむ人の数は一向に減る気配はなかった。そんな中、ボストン・デイリー社の記者リサとベンは、水資源局の男から、市の上層部とホワイトフォール社が陰謀を企てているという情報と、市長から採取したという血液を受け取った。二人は血液を、知り合いの科学者ヌートに見せてみる。するとその血には、宇宙にのみ存在するタンパク質が含まれていた。実はホワイトフォール社や市の上層部の連中は、人間の皮を被ったエイリアンだった。彼らは人間にとって有害なハイドロピュアウォーターを流通させ、それを飲んで病気にかかった人々をホワイトフォール社の治療施設に収容していた。こうして集めた人間の体にエイリアンの幼生体を寄生させ、幼生体の食料としていたのである。この真実に辿り着いた二人は、人間の食料化に反対しているエイリアンのマルコムと協力して、エイリアンたちの企みを打ち砕こうとする…。
人間社会に紛れ込んだエイリアンと人々との戦いを描いた、RHI社製作のテレフィーチャー。本作のエイリアンたちは普段は人間の姿に擬態しているが、その正体は昆虫のような姿で、更に戦う時は超人的なスピードで動き回っており、何だか「仮面ライダーカブト」のワームを彷彿とさせる奴らだ。擬態している顔がはがれてエイリアンの顔が出てくる、人間の皮膚の下をエイリアンの幼生体が這い回る、などショック描写が充実しており、モンスターとしての魅力は十分に感じさせてくれる。また本作は「幼生体が人間の体に寄生する」という設定上、エイリアンの退治方法が一風変わっていた。人間の血をエイリアンにとって毒となるように改造することで、幼生体が入り込んでも慌てて体外に逃げていく、エイリアンが襲ってきてもこちらの返り血を浴びたら悶絶する、という有利な状況を作り出し、次々とエイリアンを撃退していくのだ。この退治方法は斬新なだけでなく、体内から幼生体が這い出す様子などを描くことで映像的に見栄えがするものになっており、凡百の侵略者SFとの見事な差別化を行っていた。ラストも綺麗にまとまっているし、実に観ていて気持ちのいい作品だった。
TOP PAGE