パンプキンヘッド 禁断の血婚       「評価 B」
とある田舎町では、古くから住みついているハットフィールド家と、数十年前に移り住んできたマッコイ家とが、長年対立を続けていた。しかしそんな中で、ハットフィールド家のジョディと、マッコイ家のリッキーは密かに互いを愛し合っていたのである。ある日の晩も、二人はそれぞれの家を抜け出し、森の中で愛を確かめ合おうとしていた。ところがそこへ、ジョディの兄たちが現れた。彼らはリッキーを車で引きずりまわしただけでなく、見張りをしていたリッキーの妹サラに襲いかかろうとする。サラは慌てて逃げだしたが、ふとした拍子に足を滑らせ、木に頭をぶつけて命を落としてしまった。彼らがジョディを連れ帰るのをよそに、妹の死体を目の当たりにして絶望するリッキー。彼はサラの死体を抱えて森の老婆の家を訪れ、パンプキンヘッドを蘇らせた。そしてジョディ以外のハットフィールドの人間を皆殺しにするよう、パンプキンヘッドに働きかけたのである。パンプキンヘッドは直ちにハットフィールドの虐殺を始めるが、リッキーは復讐が成し遂げられるたびに生気を失っていく。そんな中、ジョディのもとにエド・ハーレイの亡霊が現れ、彼女に呼びかけた。「リッキーを止められるのはお前だけだ」と…。
毎回監督が変わるため、作品ごとにストーリーの毛色が微妙に異なってくるこの「パンプキンヘッド」シリーズ。その四作目となる本作では、「エリザベス」から「ファイヤーズ・ピーク」まで、実に幅広いジャンルの脚本をこなしている職人派マイケル・ハーストが初めて監督に挑戦しており、毎度おなじみの復讐劇に「若い男女の悲恋」というメロドラマ的要素が組み込まれていた。ハットフィールドの面々がマッコイの家を燃やしに行ってから両家が和解するまでの流れが少々不自然なのは気になったが、復讐の悲劇性は前作よりも格段に強く感じられるし、何より「復讐する側も救済されるパンプキンヘッドの消し方」がシリーズで初めて示されたのはシリーズのファンとして嬉しい限りだった。
また本作はシリーズ屈指の残虐度を誇っており、パンプキンヘッドは首を引っこ抜いたり内臓をえぐりだしたり口の中にナイフを突っ込んだり頭を踏みつぶしたりと、冒頭からクライマックスにかけて質と量の両面において相当な殺戮プレイを披露してくれる。特にクライマックス寸前のハットフィールド家を舞台にした大量虐殺は、これまで繰り返されてきた復讐劇の集大成と言ってもいいほどの壮絶さだ。ただし残虐さが増強された反面、シリーズの特色だった幻想的な画づくりが殆ど見られなくなっていたのは残念に感じられた。
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