パンプキンヘッド 復讐の謝肉祭       「評価 C」
田舎町のウォレス火葬場では、引き受けた死体を焼却せずに、皮膚や臓器を摘出して売り捌き、残りの部分は森に捨てるという非道な行いが繰り返しなされていた。やがてこの悪事は明るみになり、火葬場で働いていたバントたちは留置場に入れられた。しかしそれだけでは腹の虫がおさまらないのが町の住民たち。特にモリーはズタズタに引き裂かれた娘の死体を目の当たりにしたので、人一倍バントたちのことを憎んでいた。そこで彼女は仲間たちと共に森の老婆の家を訪ね、カボチャ畑に眠る怪物パンプキンヘッドを蘇らせたのである。パンプキンヘッドは彼女らの無念を晴らすべく、火葬場で悪事を行っていた一味を次々と惨殺していく。やがて事件の黒幕である町医者のドクは、パンプキンヘッドを蘇らせたのがモリーたちであることを突き止め、彼女らを殺すことで呪いから逃れようとするが…。
あのエイリアン大量虐殺ハイテンションSF映画「エイリアンズ」のジェイク・ウエストが監督を務める、「パンプキンヘッド」シリーズの三作目。さすがに「2」から数えて13年ぶりの続篇ということもあって、本作はかなりの技術進歩が窺える内容になっていた。パンプキンヘッドは着ぐるみとCGとを使い分けることで、「1」のような表情の豊かさと「2」のような動きのしなやかさを兼ね備えることを実現しているし、壁を這いまわったり屋根によじ登ったりと、かつては見られなかったアクションも存分に見せてくれた。一方でシリーズ通しての特徴である幻想的な画づくりは本作でも健在で、たとえ13年という時を経ても作品の雰囲気が変わっていなかったのは好印象だった。
しかし本作、これまでの作品とは異なり、パンプキンヘッドを蘇らせるのを複数人にしていたのはいただけなかった。復讐を遂げるにつれて彼らも次々と命を落としていく──という展開にすることで呪う側の悲惨さを盛り上げようとしているのだが、人間が複数になったことで呪う側が背負う痛みや苦しみの描写が分散してしまい、シリーズ通して描かれてきた「復讐の虚しさ」が逆に薄くなったように感じられたのである。
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