トレマーズ・ライジング 「評価 D」
ヴァンサンたち友人グループはバーに行こうと車を走らせていたところ、車がガス欠になったので付近のガソリンスタンドに立ち寄った。そこで彼らはヒッチハイカーだという男ゼフと知り合い、彼を車に乗せていくことにした。しかしその直後、一行が道端に現れた女の幽霊に気を取られていたら、車は道を外れ、崖の下へとまっ逆さまに転落してしまった。幸いにも崖下が森だったおかげで彼らは即死を免れたが、ヴァンサンたちの災難はこれで終わりではなかった。実はゼフの正体は凶悪な殺人鬼で、先程のガソリンスタンドでも店主を惨殺していたのだ。彼は本性を現し、拳銃でヴァンサンたちに襲い掛かってくる。必死に逃げ回るヴァンサンたち。しかも災難はこれだけではない。この森の地中には宇宙からやってきた怪生物が潜んでおり、足を踏み入れた人間を食い散らかしていたのだ…。
若者たちが真夜中の森で殺人鬼や宇宙生物と戦う、「トレマーズ」シリーズとは関係ない内容のフランス映画。本作に登場する宇宙生物は無数の触手を持ったアリジゴクみたいな容姿をしており、地中移動する時は本家「トレマーズ」のグラボイズよろしく地面が盛り上がる演出がなされている。しかしこの「地面を盛り上がる」特性は、「トレマーズ」ではグラボイズの接近を視覚化して緊迫感をもたらす効果しかもたらしていなかったが、本作では地上の人間を跳ね飛ばすといった攻撃面にも存分に活用されていたのが印象深い。クライマックスでは地面から長い触手を伸ばして空中のヘリコプターを撃墜するといったバイタリティー溢れる活躍も見せてくれるし、グラボイズとはまた違った味わいのあるモンスターだった。
ただこの映画、ゼフの存在が余計すぎた。中盤過ぎまでゼフとヴァンサンたちの戦いが見せ場も無くダラダラと続き、モンスターの出番がかなり減っている。またラストの対決も主人公が全く活躍しないまま勝手に事件が解決し、大きく拍子抜けしてしまう。折角モンスターは魅力的なのに、脚本がそれを活かせていないのが残念な作品だ。
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