クローンフィールド HAKAISHI 「評価 B」
科学者ケビンは難病を治す薬を作るため、遺伝子改造を施したタスマニアデビル“プレシャス”を頑丈な檻の中で飼育していた。ところがある晩、動物実験に反対する団体が研究所に忍び込み、プレシャスの入った檻を奪い去ってしまった。彼らは自然公園でプレシャスを解放したが、既にプレシャスは遺伝子操作の影響で、クマのような巨大な体躯と悪魔のような残忍性を身につけた、極めて危険な存在へと変貌を遂げていたのだ。自由の身になるや否や彼らを皆殺しにしたプレシャスは、続いて自然公園で長閑な一時を過ごしている人間たちを血祭りに上げていく。一方、公園の一角にあるサザンクロス霊園では、ケビンの息子ハンターが友人と共に映画の撮影を行っていた。公園内でおぞましい惨劇が起こっているとも知らずに…。
「平均5分に1度、人が死ぬ」というAMGエンタテインメントの宣伝文句に偽りなしの、「ドッグ・ソルジャー」のスタッフが製作したウルトラスプラッタームービー。何に置いてもプレシャスに殺される人間たちのスプラッター具合が凄まじく、人が1人殺されるごとにバケツ何杯分もの血糊を画面一杯にぶちまけるという血液のクリアランスセール的な大盤振る舞いには、ただただ圧倒されるばかりだった。出血以外にも残酷描写は充実しており、千切れた手足や生首が空中を飛び交うのは当たり前。胴体が真っ二つになって内臓がこぼれ出す描写もあるし、死体の頭をワゴン車でひき潰す場面だって実装済みだ。更には抉り出された心臓がドクンドクンと脈打っているカットまで用意されているとあっては、その旺盛なサービス精神に敬服するばかりである。また本作の惨劇は昼間の自然公園で進行するため、「ドッグ・ソルジャー」のような「画面が暗すぎて肝心なところが見えない」事態があまり生じなかったのも良かった(でもクライマックスの舞台は薄暗い墓穴だったが)。スプラッター好きならば歓喜すること請け合いの、実に強烈なインパクトを秘めた映画だ。
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