キラースネーク        「評価 C」
アランは幼い頃、ブードゥー教徒の家に忍び込んで一本のペン“クレヴ・スティック”を盗み出した。家に帰ったアランは、母親に対して暴力を振る父親の姿に嫌気が差し、クレヴ・スティックを使って父親が蛇に食べられる絵を描き出した。すると何処からともなく大蛇が現れ、絵の通りに父親を食い殺してしまったのだ。それから数十年後、すっかり中年になったアランは、妻ベッキーと共に幸せな毎日を過ごしていた。ところがある日のこと、馬鹿な若者たちの運転する車によってベッキーは轢き殺されてしまう。それに憤怒したアランはクレヴ・スティックを取り出し、若者たちの乗った車が大蛇に飲み込まれる絵を描いた。すると絵に描かれたとおり大蛇は実体化し、農場でパーティーを開いていた若者たちに襲い掛かった…。
ブードゥー教の呪いのペンが災厄をもたらす、オカルトチックな内容の蛇映画。本作に登場する蛇“ロック・ジョー”は、頭部がワニになっているのが特徴的。その巨大な口で獲物を食い殺す他、鋭い尻尾で獲物の身体を貫いたり首をはねたりと、なかなかの芸達者ぶりを見せてくれるのだが、そのせいで肝心の口を駆使した殺害シーンが少なくなり、「ワニの頭をもつ蛇」というウリが活かされていないのは本末転倒に感じられた。またロック・ジョーとの戦いが全て真夜中の農場で進行するため、その特徴的なフォルムを満足に拝むことができなかったのも難点。しかしクライマックスの対決シーンは、超自然的な存在であるという設定がそのまま退治方法に直結していて、痛快さこそ無かったが面白味が感じられた。
それにしてもこの映画、奥さんを殺された上、事情を知った若者たちに逆に怒られるアランが、自業自得とはいえ気の毒でならなかった。
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