メガスネーク        「評価 C」
ネイティブアメリカンたちの暮らす小さな町、イーストテネシー。ここで暮らすダフは幼い頃に父親が蛇に噛み殺されたトラウマから、蛇に対して人並み以上の執着心を持っていた。そんな彼はある日、キタワ族のホークが経営する店に立ち寄ったところ、かつて先住民を大量虐殺したという伝説の蛇“ウンテカ”を発見する。何としてでも手に入れたいと申し出たダフだが、ホークは「ウンテカは危険な存在だ」と掛け合ってくれない。そこで仕方なく、ダフはホークの目を盗み、ウンテカの入った壺を盗み去っていった。早速家に持ち帰るダフだったが、ふとした拍子で壺を落としてしまい、ウンテカを外に出してしまう。するとウンテカは初めは小さな蛇だったのに見る見るうちに大蛇へと変貌を遂げ、家のペットや家畜たちを、ダフとその母親を、近所の牧場のヤギたちを、そして街中の人間を次々と手にかけていった。その事態を知ったダフの弟レスは、ホークや恋人の保安官エリンと協力してウンテカの退治に乗り出した…。
「殺人鼠 KILLER RATS」「キラー・モスキート 吸血蚊人間」のティボー・タカクス監督による巨大蛇映画。「最初はミニサイズだったヘビが最終的に大蛇に変貌する」という展開は「スネークトレイン」あたりを彷彿とさせるが、残念ながら本作の蛇はあの作品ほどには巨大化せず、せいぜい人間を何人も丸呑みするレベルまで。とは言え、初めは子猫を殺すのにも苦戦するほどのミニサイズだったのが、やがて鶏を丸呑みできるまでに成長し、そして人間を飲み込む大蛇になる──と巨大化の過程がきちんと段階を追って描かれていたのには好感が持てた。おかげで様々なサイズのウンテカの活躍を拝むことができ、本作は何本もの蛇映画を観たようなお得感があったのだ。またウンテカの退治シーンでは、蛇映画史上トップクラスに男らしい退治方法が使われており、この点でも蛇映画好きにとっては嬉しいものがあった。
しかし本作、ストーリーは非常に平凡だ。パニック映画の定番要素「年に一度の町祭り」が何のヒネリもなく使われているし、町外れに住む蛇退治専門家のおっさんコンビという極めて美味しいキャラが、ろくに活躍することなくクライマックス前に退場してしまうのも残念なところ。本作は蛇の描写に拘りが見られただけに、この欠点はとても惜しく感じられた。
蛇映画一覧へ
TOP PAGE