ジュラシック・プラネット 恐竜の惑星 「評価 D」
遥か遠い未来。メイス率いる一小隊は辺境の惑星からのSOS信号を受け取り、早速現地へと向かった。そこで彼らが目にしたのは、中世ヨーロッパのような街並みを、狂暴な肉食恐竜たちが跋扈している光景だった。この惑星ではカマキリのような姿をした異星人が文明を築いていたのだが、家畜として飼われていた恐竜たちが少し前に反乱を起こしたため、今のような状況になってしまったらしい。やがて恐竜たちに追い詰められたメイスたちは、城に籠城しながら恐竜たちを迎撃しようとする。しかし戦いを続けていくうちに、この任務の裏には恐竜達を兵器に利用しようとする、軍の上層部の思惑が絡んでいることが明らかになった…。
軍隊と肉食恐竜とのガチンコバトルを描いたSFアクション映画、「ラプター・アイランド」の正当な続編。スタンリー・アイザックスが監督した前作は余分なストーリーを一切省いて恐竜との戦いに徹したはいいものの、肝心のアクションシーンがお粗末だったせいでいまいち楽しめない出来だった。しかし本作の監督は、「スパイダーズ」や「クロコダイル2」のゲイリー・ジョーンズである。ことアクションに関してはB級モンスター映画好きのツボを心得ている監督なだけはあり、軍隊と肉食恐竜とのバトルは前作と比べてもかなり見栄えのするものになっていた。またVFXの質が向上し、恐竜たちの姿が一段とリアルになったのも評価できる。
ただ本作、これだけで止めておけばよかったのに、更に欲張ってストーリー性まで盛り込もうとしたのがいけなかった。主人公たちの蚊帳の外で繰り広げられる陰謀劇は特に戦いを盛り上げるわけでもなく、ただ作品のテンションを落とす作用しかもたらしていなかったのだ。おまけにラストは「King Dinosaur」を彷彿とさせる酷いオチで幕を閉じており、どうにも感心できない。前作の不満点を解消したはいいものの、一方で前作の良かった点を台無しにし、結果として前作と大して変わらない評価となった作品である。
TOP PAGE