カニング・キラー 殺戮の沼 「評価 B」
ブルンジ共和国の湿原帯では、グスタヴと名付けられた巨大ワニに多くの住民が食い殺されるという事件が発生していた。それを聞きつけたニューヨークのテレビ局は、グスタヴを生け捕りにして番組を作ろうと目論み、ティムたち社員をブルンジへと派遣した。ところがブルンジは、内戦の真っ只中。湿原帯では“リトル・グスタヴ”と称される盗賊団による虐殺行為も行われており、グスタヴの棲息地帯に辿り着くだけでも困難な有様だった。それでもティムたちは爬虫類学者コリンズの指導の下、巨大な檻を用意してグスタヴの捕獲を行おうとするが、狡猾なグスタヴは彼らを翻弄し、なかなか捕獲するに至らない。おまけに護衛として雇った原住民はリトル・グスタヴに通じており、リトル・グスタヴの虐殺行為を撮影したティムたちを生かして返そうとはしなかった…。
広大な湿原を舞台に取材クルーと盗賊団と巨大ワニが三つ巴の争いを繰り広げる、実話を基にしたパニック映画。ブルンジの民族対立問題という深刻なテーマを背景に据えているものの、迫り来る恐怖からひたすらに逃げ回る主人公たちの姿が緊迫感に溢れた演出で綴られており、パニック映画として十分すぎるほどの娯楽性を持っていたのが嬉しかった。特に美麗なVFXで描かれたグスタヴが暴れる様は、ワニ映画ファンには垂涎モノ。テントを破壊する、水中から顔を出して人間を食らう、陸上で人間を追い回す、といった各場面はシチュエーションこそありふれているものの、構図やカット割が見事で並々ならない迫力を醸し出していたのだ。
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