スパイダー・キングダム    「評価 C」
インドの山奥に広がる密林地帯を、ジョンたち若者の一行が探検していた。ところがある晩、仲間の1人ステイシーが毒蜘蛛に噛まれ、危険な状態に陥ってしまった。直ちにジョンたちは医者がいるという近くの村へ彼女を連れて行ったものの、その村は何やら不穏な雰囲気が漂っていた。医者のレコルパスは毒蜘蛛に異様なまでの執着を見せているし、彼の弟は奇形の顔をフードで隠している。そして村人たちは、そんな弟を神として崇めていた。それでもステイシーの応急処置ぐらいはしてくれそうなので、ジョンたちは彼女を数人の仲間と共に村に預け、遠くの町へ救援ヘリを呼びに行くことにした。だが町に辿り着いた一行は、恐るべき事実を知ってしまう。あの村の近辺を通った人間が、毎年大量に行方をくらませていたのだ。実はレコルパスは闇の臓器売買人で、蜘蛛で麻痺させた人間から臓器を摘出し、外国に売りさばいていたのである…。
「エンパイア・オブ・エイプス」のゲイリー・ドーベルマン脚本による、蜘蛛パニック映画。大量の蜘蛛が群がって人間を糸まみれにしてしまったり、レコルパスの弟の右目の穴から小さい蜘蛛がワラワラと這い出てきたりと、蜘蛛を使った見せ場は多く用意されていたものの、そこはゲイリー・ドーベルマン脚本。映画は蜘蛛よりもむしろランス・ヘンリクセン扮するレコルパスのサイコぶりの方に重点が置かれており、クライマックスは殆どランス・ヘンリクセンの独壇場と化していたのだ。しかし「エンパイア・オブ・エイプス」では博士の狂気ぶりが圧倒的な恐ろしさを見せていたのに対し、本作のレコルパスはみすみす余所者を逃がしてしまう甘さといい、間抜けな最期といい、いまいち恐怖感に欠けたのが惜しいところだった。
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